研究課題/領域番号 |
15590703
|
研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
田代 充生 産業医科大学, 医学部, 助手 (20341498)
|
研究分担者 |
田口 雅史 産業医科大学, 医学部, 助手 (80369058)
大槻 眞 産業医科大学, 医学部, 教授 (00030916)
|
キーワード | アルコール性膵障害 / 膵星細胞 / matrix metalloproteinase |
研究概要 |
平成16年度に行った研究から、アルコールによって刺激された膵星細胞の活性化が抗酸化剤であるエピガロカテキンガレートやアスコルビン酸によって抑制され、膵線維化を抑制する可能性が示唆された。 正常膵では膵星細胞は膵管周囲領域に存在するが、慢性膵炎では膵の線維化領域に認められることから、膵傷害の後に、何らかの因子により膵星細胞の局所での増殖と周囲組織から線維化領域への遊走によって、線維化領域の膵星細胞が増加すると考えられている。本年度は、アルコールによって刺激された膵星細胞の細胞増殖と遊走を共に抑制することが膵線維化を抑制するかを検討した。通常の非コートプレートあるいはマトリゲルバイオコートプレート上に膵星細胞を培養し、platelet-derivedgrowthfactor(PDGF)-BBあるいはエタノールで膵星細胞を刺激したところ、膵星細胞はPDGF-BB、エタノールのいずれの刺激においても、細胞増殖能及び遊走能は有意に上昇した。PDGF-BBあるいはエタノール刺激下にmatrix metalloproteinase inhibitorを添加したところ、膵星細胞の増殖能及び遊走能は有意に低下した。さらに活性型matrix metalloproteinase-2蛋白をzymographyで検討したところ、matrix metalloproteinase inhibitor添加下では蛋白活性が有意に低下していた。以上のことから、matrix metalloproteinase inhibitorは膵線維化を抑制する可能性が示唆された。
|