研究課題/領域番号 |
15590726
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松本 晃裕 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (70323574)
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研究分担者 |
寺内 康夫 横浜市立大学, 医学部附属病院, 教授 (40359609)
中島 敏明 東京大学, 医学部附属病院, 寄付講座教員 (50227790)
竹中 克 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20188204)
門脇 孝 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (30185889)
平田 恭信 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (70167609)
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キーワード | アディポネクチン / 狭心症 / 糖尿病 / 代謝因子 / 動脈硬化 / 運動療法 / 運動耐容能 |
研究概要 |
本年度は糖尿病・高血圧・高脂血症・肥満のうちいくつかの合併症を有する急性・陳旧性心筋梗塞等の心疾患患者において心臓リハビリテーション(心リハ)を行った心リハ群と、心リハを行わなかったコントロール群の2群にわけ、その前後でアディポネクチン、血糖、コレステロールの採血と心肺運動負荷試験による最大酸素摂取量や呼気中NOの測定をし、その変化について検討した。その結果、アディポネクチンは心リハ群ではリハ前の14.3±2.0から後に16.1±2.1μg/mLへと増加した(p<0.05)が、一方コントロール群では10.8±1.9から11.3±2.0μg/mLへと不変であった。BMIは心リハ群では前の26.0±2.5から後の25.9±2.2へと不変で、一方コントロール群では27.0±2.0から27.2±2.9へと不変であった。また、空腹時血糖とHbA1cは心リハ群、コントロール群共に前後で不変であった。最大酸素摂取量は心リハ群では前の1367±603から1702±458ml/minへと増加した(p<0.05)が、一方コントロール群では1399±336から1483±291ml/minへと不変であった。最大運動時の呼気NO排泄量は心リハ群では心リハ前に比べ後の方が増大したが、コントロール群では不変であった。嫌気性代謝閾値も心リハ群では後に増加したが、一方コントロール群では不変であった。以上より、心筋梗塞症例等の心疾患患者において心リハを行うと、低下していた最大酸素摂取量、嫌気性代謝閾値などの運動耐容能も改善するとともに、アディポネクチンの増加も同時に見られた。心疾患患者で多く見られるアディポネクチンの低下を心リハは改善し、インスリン抵抗性の改善につながると考えられた。心リハは運動時の呼気NO排泄量を増加させたが、血管内皮よりのNO産生を増加させ、血管内皮機能の改善を引き起こすと考えられた。
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