研究課題/領域番号 |
15590726
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松本 晃裕 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (70323574)
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研究分担者 |
寺内 康夫 横浜市立大学, 医学部附属病院, 教授 (40359609)
中島 敏明 東京大学, 医学部附属病院, 寄附講座教員 (50227790)
竹中 克 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20188204)
門脇 孝 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (30185889)
平田 恭信 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (70167609)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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キーワード | アディポネクチン / 狭心症 / 糖尿病 / 代謝因子 / 動脈硬化 / 運動療法 / 運動耐容能 / 一酸化窒素(NO) |
研究概要 |
高血圧・高脂血症・肥満のうちいくつかの合併症を有する急性・陳旧性心筋梗塞及び狭心症患者36例においてアディポネクチンと肥満度、血糖値、運動耐容能の間の関係について検討した。急性・陳旧性心筋梗塞等の心疾患患者において心臓リハビリテーション(心リハ)を行った群と、行わなかったコントロール群の2群にわけ、その前後でアディポネクチンなどと運動耐容能、呼気中一酸化窒素(NO)の変化について検討した。その結果、アディポネクチンは狭心症患者では8.1±5.9μg/mLと健常者の報告例と比べ低下していた。BMIは25.4±3.1であった。また、空腹時血糖は126±39mg/dL、HbA1cは5.9±1.2%と増加しており、耐糖能異常例・糖尿病例が多かった。最大酸素摂取量は正常予測値の68±12%と、中等度低下していた。さらに、アデイポネクチンは心リハ群では前の14.3±2.0から後に16.1±2.1μg/mLへと増加した(p<0.05)が、一方コントロール群では不変であった。最大酸素摂取量は心リハ群では前に比べ後で増加したが、一方コントロール群では不変であった。最大運動時の呼気NO排泄量は心リハ群では心リハ前に比べ後の方が増大したが、コントロール群では不変であった。以上より、虚血性心疾患患者においてアディポネクチンは低下していたが、これには肥満、糖尿病の影響が強いと考えられた。また、これらの患者では最大酸素摂取量、嫌気性代謝閾値などの運動耐容能も低下していたが、運動不足がアディポネクチンの低下に影響していると考えられた。さらに、心筋梗塞症例等の心疾患患者において心リハを行うと、低下していた最大酸素摂取量などの運動耐容能も改善するとともに、アディポネクチンの増加も同時に見られた。心疾患患者で多く見られるアディポネクチンの低下を心リハは改善し、インスリン抵抗性の改善につながると考えられた。心リハは運動時の呼気NO排泄量を増加させたが、血管内皮よりのNO産生を増加させ、血管内皮機能の改善を引き起こすと考えられた。
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