研究課題/領域番号 |
15590732
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
荒井 正純 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (00202721)
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研究分担者 |
湊口 信也 岐阜大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (20190697)
竹村 元三 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (40283311)
藤原 久義 岐阜大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80115930)
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キーワード | 顆粒球コロニー刺激因子 / 血管内皮前駆細胞 / 骨髄細胞 / 虚血性末梢動脈疾患 |
研究概要 |
顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)は、その作用として骨髄球系前駆細胞の増殖促進、成熟好中球への増殖と分化の誘導、成熟好中球の機能亢進を有し、各種ガン化学療法後の好中球減少症に対して用いられるほか、成熟好中球ばかりでなく同時に骨髄中の未分化細胞を末梢血に動員する作用があり末梢血幹細胞移植(PBSCT)の際の使用に関しても保険適用されている。我々は、G-CSFにより骨髄から末梢血中に動員された血管内皮前駆細胞が虚血の部位にたどり着き局所で血管内皮への分化を介して血流を改善させると考え臨床応用に取り組んできた。G-CSFによる血管再生治療は侵襲が少ないため心機能・呼吸機能の高度に低下した患者にも施行可能であり、その点で効果と安全性が確立されれば新たな治療法の開発としてその意義は大きい。対象は、FontaineIIIまたはIVの重症下肢虚血を有しながらも手術やインターベンションによる治療が不可能な80歳以下の虚血性末梢動脈疾患の患者でとし、重症の頸・脳動脈狭窄を有する例、冠動脈インターベンション後3ヶ月以内の例、さらには、担癌状態または悪性腫瘍の既往例、増殖性網膜症のある例、活動性のある膠原病や間質性肺炎の合併例などは、除外している。G-CSFは、末梢白血球数が30,000/μl前後に維持されるように2-6μg/kg/dayの範囲で10日間連日皮下注射した。治療効果の判定には、下肢血流の有用な指標である上肢下肢血圧比(ABPI)および経費酸素分圧(mmHg)を用いているが、治療前から1ヶ月後にかけて各々0.35±0.05から0.45±0.06、35±5から45±6へと有意に改善した。下肢の疼痛や連続歩行可能距離などの自覚症状にも改善がみられた。また、治療に伴う重篤な合併症の出現はなかった。
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