研究課題
基盤研究(C)
研究基盤の整備、症例の集積と調査各情報入力用フォームの整備、コーディネーターへの事前指導、血液の採取・DNA抽出・セロトニントランスポーター(5-HTT)遺伝子多型同定、SDSテストなどの準備を行った。急性心筋梗塞症例5188人中、予後追跡および遺伝子多型の同定が可能であった2509人を最終的な予後関連解析対象とした。予後追跡率は99%であった。SDSテストはアンケート回収不能および不完全回答例が特に高齢者で多く存在し、完全回答が得られたのは1803例であった。セロトニントランスポーター遺伝子多型とSDSスコア・心血管イベントとの関連2509例中、心血管イベント(死亡・心筋梗塞・不安定狭心症・致死性不整脈・血行再建術の複合)は777例に発生した。5-HTTのゲノタイプ頻度はSS : SL : LL=16H:795:103(S : L=4:1)であった。過去の機能解析より、SL型はSS型と同等の機能を有することから、SS+SL多型とLL多型の間の相違を検討した。SS+SL群はLL群に比較しSDSテストが有意に高値であり(39.5±8.6vs37.3±8.0,p=0.02)、心血管イベントが高率であった(31.3%vs22.3%、p=0.046)。多変量解析において、Sアレルの存在は患者背景・重症度・治療とは独立したイベントの予測因子であった(HR1.69、95%CI 1.03-2.78)が、SDSスコアを加えたモデルにおいてその独立性は消失した(HR1.30、95%CI0.84-2.01)。一方、SDSスコア>40点で定義される抑うつ性気分障害はこのモデルにおいても独立した予後規定因子(HR1.35、95%CI1.13-1.63)であった。以上より、抑うつ性気分障害は心筋梗塞後の心血管イベントと関連しており、5-HTT遺伝子多型はその規定因子として機能する可能性が示唆された。
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