研究課題/領域番号 |
15590760
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
尾辻 豊 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (30264427)
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研究分担者 |
鄭 忠和 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10163891)
枇榔 貞利 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (50244231)
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キーワード | Ischemic / regurgitation / mitral / Renin angiotensin |
研究概要 |
虚血性僧帽弁逆流は、虚血性心疾患例の慢性期死亡を倍増させる独立した危険因子である。心筋梗塞後の左室リモデリングによる乳頭筋の外側への変位が、僧帽弁尖を異常に牽引し(弁tethering)、その閉鎖を阻害し、逆流を発症させる基本的な機序である。心筋梗塞後の左室リモデリングにおいて、レニンアンギオテンシン系は中心的な役割を果たす(レニンアンギオテンシン系の賦活化はリモデリングを助長する)が、レニンアンギオテンシン系の虚血性僧帽弁逆流に及ぼす影響は未だ検討されていない。 我々は、「レニンアンギオテンシン系が遺伝子レベルでブロックされている環境下では虚血性僧帽弁逆流の発生は抑制される」と仮説を立て、wild typeマウスとAngiotensin II type 1A受容体ノックアウトマウスにおいて心筋梗塞を作成し、慢性期の虚血性僧帽弁逆流を比較しようと計画を立てた。現在、wild typeマウスにおいて心筋梗塞を作成する実験の倫理委員会の承認が得られたので、この実験を始めたところである。また、Angiotensin II type 1A受容体ノックアウトマウスにおいて心筋梗塞を作成する実験は倫理委員会に申請し、その承認を待って開始する予定である。国内にマウスで心筋梗塞を作成する実験施設があるため、その施設の実験の見学にも行き、技術の修練を行う予定である。 近いうちに、Angiotensin II type 1A受容体ノックアウトマウスにおいても心筋梗塞を作成し、慢性期の虚血性僧帽弁逆流を心エコー法で比較した結果を得られるのではと期待している。
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