研究課題/領域番号 |
15590774
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
清野 精彦 日本医科大学, 医学部, 助教授 (10163073)
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研究分担者 |
島田 隆 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20125074)
平井 幸彦 日本医科大学, 医学部, 講師 (10089617)
福本 裕子 日本医科大学, 医学部, 助手 (80339423)
高野 照夫 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40133441)
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キーワード | Fabry disease / enzyme replacement therapy / α-galactosidase / cardiac hypertrophy / renal failure / adeno-associated virus / N-terminal pro-brain natriuretic peptide / troponin T |
研究概要 |
平成15年10月15日、科学研究費補助金交付内定(追加採択)の通知を受理。同年12月10日交付決定(追加採択)通知を受理。年末追加採択であったが、平成15年度は早速、研究テーマの主検討事項および関連検討事項に関して実験と臨床の両面から研究を進めた。 1)αGal-AノックアウトFabry病マウスにおいて、大腿筋へのAAVベクターを用いた酵素補充遺伝子導入により全身各臓器における欠損酵素αGal-A活性の上昇とセラマイド(CTH)沈着量の防止を明らかにした。 2)心肥大抑止、心機能障害、心筋傷害の防止を評価するあたり、実験的な評価法と評価項目を確立すべく、アドリアマイシン心筋症ラットモデルを作成して、心エコー、心筋生化学マーカー、病理組織学的な検討を加えている。 3)Fbry病症例で最も臨床的に問題になる心肥大、心不全、不整脈の出現と、腎機能障害の診断、治療評価のためのバイオマーカーとしてNT-proBNPおよび心筋troponin T、troponin Iなどに注目しており、それらの臨床的評価を肥大型心筋症、高血圧性心疾患、心筋症などにより慢性心不全105例を対象に検討した。血中NT-proBNP測定値はBNPよりも鋭敏に軽度の心機能障害(LVEF<50%、拡張障害)を検出し、診断と治療評価指標として優れる事を報告した。 4)また、血中心筋troponin T、脂肪酸結合蛋白(H-FABP)測定値は潜在性心筋傷害を検出し、かかる慢性心不全症例は長期予後が不良であることが明らかとなった。
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