研究課題/領域番号 |
15590781
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
桑原 史隆 久留米大学, 医学部, 助手 (90279167)
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研究分担者 |
甲斐 久史 久留米大学, 医学部, 助教授 (60281531)
今泉 勉 久留米大学, 医学部, 教授 (60148947)
永田 剛 久留米大学, 医学部, 助手 (70289429)
新山 寛 久留米大学, 医学部, 助手 (30309778)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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キーワード | 生活習慣病 / 心不全 / 心リモデリング / 心筋線維化 / MCP-1 / OLETFラット / 7ND遺伝子 |
研究概要 |
(1)MCP-1 7ND : Fcキメラ(7ND)遺伝子作成と、そのドミナントネガティブ活性検討 ヒトMCP-1の細胞外ドメインにヒトイムノグロブリンFc鎖を結合させたキメラ遺伝子をPCR法を用いて作成し、HA-tagged発現プラスミドベクターpVR1255に組み換える。 (2)7ND遺伝子導入法の確立 HA-tagged 7ND遺伝子組み換え発現プラスミドをnaked DNA法にてラット大腿四頭筋に筋注導入し局所で7NDを分泌蛋白として発現させ、血中に分泌された7NDにより生体の作用部位〔心・血管〕においてMCP-1機能を拮抗阻害するという戦略を用いる。この方法には、免疫原性の低いnaked DNA法により標的遺伝子を骨格筋局所に導入することから、遺伝子を繰り返し導入し長期間にわたり発現を維持しえると考えられる事から慢性疾患モデルに応用できるメリットがある。導入局所発現を抗HA免疫染色にて、血中7ND濃度を抗ヒトFcELISA法にて、7ND発現の程度と時間経過を検討したところ、pVR1225プラスミドの発現が導入局所筋肉においてきわめて低く、血中には有意な分泌が得られていない事が明らかになった.このため、現在ウィルスベクターも含めた新たな発現ベクター数種に組み換えて最も生体内での発現効率の良いものを検索中である。 (3)糖尿病・高脂血症モデル(OLETFラット)を用いた検討 糖尿病・高脂血症合併モデルとしてOLETEラットを便用し、コントロール群はLETFラットを使用した。40週令時点で同様の検討を加えた。また、抗MCP-1中和抗体によるMCP-1機能抑制実験も行った。 【結果】LETFラット群に比し、OLETFラット群では有意な心筋問質線維化・心筋細胞脱落所見を認め、血管においては血管外膜の硬化が著明であった。また、心筋線維化に先行し、血管周囲にマクロファージ主体の炎症細胞浸潤・線維芽細胞増殖が認められ高血糖においても炎症反応を有する組織傷害リモデリングが介在する可能性が示唆された。10週間MCP-1中和抗体を投与したが明らかな心筋線維化抑制は認めなかった。これは、中和抗体を長期間投与した事による免疫作用などにより効果が慢性的には期待できないと判断した。このため長期間効果発現が期待できるMCP-1 7ND遺伝子導入法の確立を現在目指している。
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