研究課題/領域番号 |
15590785
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研究機関 | 国立循環器病センター研究所 |
研究代表者 |
田口 明彦 国立循環器病センター研究所, 循環動態機能部, 室長 (10359276)
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研究分担者 |
松山 智弘 兵庫医科大学, 医学部・総合内科, 講師 (10219529)
成富 博章 国立循環器病センター研究所, 内科脳血管部門, 部長 (60132932)
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キーワード | 脳梗塞 / 再生医療 / 慢性虚血 / 血管新生 / 血管血球系幹細胞 |
研究概要 |
(1)再現性の高いマウス脳梗塞動物モデルの作成 我々は、様々な脳血管閉塞モデルを用いて脳梗塞モデルの試作を行った。その結果、中大脳動脈閉塞による再現性の高いマウス脳梗塞動物モデルの作成に成功した。我々が開発した本脳梗塞モデルを用いて、様々な薬剤および治療法の効果判定に関する、再現性の非常に高い検証モデルが確立されており、脳梗塞治療に関する効果判定の定量化に非常に有用であると考えている。 (2)脳梗塞と脳血管再生の関連に関する検討 1で作成した脳虚血動物モデルを用いた研究において、a.脳梗塞後の血管血球系幹細胞投与により著明に脳血管の再生が促進されること、b.血管血球系幹細胞投与が神経機能の向上に関与すること、を明らかにした。また、これらの結果を基に、血管新生作用のある薬剤の脳梗塞後の投与を行い、その治療効果に関して検討を行った。 (3)脳梗塞患者および慢性脳虚血患者における末梢血中血管系幹細胞と脳循環病態に関する検討 a.脳梗塞患者においては末梢血中の血管系幹細胞の減少と脳梗塞の増加が強く相関していることb.慢性脳虚血患者においては末梢血管系幹細胞の減少と脳循環動態の悪化や脳血流の低下が強く関連していること、c.血管内皮前駆細胞等の末梢血中幹細胞が、直接に神経細胞機能の維持にも大きく影響している可能性が高いこと、など虚血性脳血管障害に対する再生医療の臨床応用の確立に必須と考えられる、様々な知見を明らかにしてきた。
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