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2003 年度 実績報告書

BCGワクチン療法による高齢者肺炎の予防法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 15590794
研究機関東北大学

研究代表者

大類 孝  東北大学, 医学部附属病院, 助教授 (90271923)

キーワード高齢者 / 肺炎 / 細胞性免疫 / BCGワクチン / ツベルクリン反応
研究概要

BCGワクチン療法による高齢者肺炎の予防法の確立
肺炎による死亡は、抗菌薬の普及した今日においても全疾患別死亡の第4位を占め、その9割が高齢者で占められる。高齢者における肺炎は再発性かつ難治性で致死率も高く、その予防法の確立が急務である。私共が以前、高齢者介護施設に入所中の方々を対象に行った研究によれば、日常生活活動度(ADL)が低下しかつ肺炎を繰り返す寝たきり高齢者では、末梢血液中のヘルパーTリンパ球のうち細胞性免疫を担うTH1細胞の絶対数が減少しており、そのような方では細胞性免疫の指標の一つであるツベルクリン反応(ツ反)が陰性化していること、およびツ反陰性群では陽性群に比して肺炎発症率が有意に高い事実を明らかにしてきた(Thorax 20000:55:867-869)。今回、私は本研究において、細胞性免疫賦活化作用を有するBCGワクチン接種が、寝たきり高齢者における肺炎の発症を予防し得るか否かについて検討を行った。方法は、高齢者介護施設に入所中の,ADLの低下した155名の高齢者を対象とし、ツ反を施行し陽性群及び陰性群に分け、さらに陰性群を無作為にBCG接種群及び非接種群に割り付けをした。そして、BCG接種4週間後に再びツ反を施行し、陽性者を陽転群とし、その後2年間にわたり各群における肺炎の発症率を前向きに追跡調査した。その結果、ツ反陰性群では44名中19名(42%)に、陽転群では41名中6名(15%)に、ツ反陽性群では67名中9名(13%)に新たな肺炎の発症が確認され、ツ反陽転群では陰性群に比して肺炎の発症率が有意に抑制された(p=0.03)。以上の結果より、BCG接種は細胞性免疫の低下した寝たきり高齢者において、肺炎発症の予防効果を有する事が明らかにされた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Ohrui T, Kubo H, Sasaki H: "Care for the older people"Intern Med. 42. 932-940 (2003)

  • [文献書誌] Ohrui T, Yasuda H, Yamaya M, Matsui T, Sasaki H: "Transient relief of asthma symptoms during jaundice : a possible beneficial role of bilirubin"Tohoku J Exp Med. 199. 193-196 (2003)

  • [文献書誌] Fujii M, Ohrui T, Sato T, Satoh-Nakagawa T, Sato N, Sasaki H: "Green tea for decubitus in bedridden patients"Geriatr Gerontol Internat. 3. 208-211 (2003)

  • [文献書誌] Takahashi H, Ohrui T, Ebihara S, Yamada M, Sasaki H: "Effect of gefitinib (ZD1839) on metastatic brain tumor"Lung Cancer. 43. 371-372 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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