研究課題/領域番号 |
15590801
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
小泉 知展 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (20273097)
|
研究分担者 |
花岡 正幸 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (20334899)
藤本 圭作 信州大学, 医学部, 助教授 (70242691)
久保 恵嗣 信州大学, 医学部, 教授 (80143965)
|
キーワード | アナンダマイド / エンドトキシン / 肺損傷 / ポリミキシンBカラム |
研究概要 |
アナンダマイドは、最近敗血症時のショック等の病態に関与していることが注目されている。 本年度は、以下の二点に注目し研究を行った。 1)アナンダマイドを経気管支的に投与し、気管支肺胞洗浄および肺組織を採取した。気管支肺胞洗浄液中には、好中球の増加が確認され、肺組織では、肺胞隔壁の肥厚、浮腫の存在が確認された。さらに、免疫染色でTNF-αの発現が確認された。これらの結果はアナンダマイドが何らかの炎症性変化を惹起する可能性を示唆している。今後、アナンダマイドの投与量を設定し、緬羊の実験に応用する。 2)われわれは以前にポリミキシンBカラム(PMX-B)による吸着療法が、緬羊エンドトキシン肺損傷の改善に有用と報告した。このPMX-Bがアナンダマイドを吸着することによりその効果を発現している可能性が示唆されている。よって他の炎症性肺疾患による肺損傷にも、PMX-Bが有用かないしはその発症にアナンダマイドが関与しているかを検討した。塩酸を経気道的に投与し、肺損傷モデルを作成した。PMX-B使用群で、塩酸肺損傷の軽減およびサイトカイン上昇の改善を認めた。さらに血液中のアナンダマイドは塩酸経気管投与により有意に上昇したが、PMX-Bの使用の有無で有意差を認めなかった。この結果からアナンダマイドは、塩酸肺損傷の進展発症に関与している可能性が示唆されるが、PMX-Bの治療効果には関与していないことが推察された。
|