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2004 年度 研究成果報告書概要

肺癌細胞の悪性化における不活性化SOCS遺伝子の意義の解明と治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 15590809
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 呼吸器内科学
研究機関大阪大学

研究代表者

大崎 匡  大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50324778)

研究分担者 川瀬 一郎  大阪大学, 医学系研究科, 教授 (10161324)
仲 哲治  大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30303936)
研究期間 (年度) 2003 – 2004
キーワードSTAT遺伝子 / SOCS遺伝子 / PIAS遺伝子 / 肺癌 / 細胞増殖 / 薬剤感受性 / 癌抑制
研究概要

Janus Kinase-signal transducers and activators of transcription (Jak-STAT)は増殖因子やサイトカインのシグナルを伝達する経路として研究されていたが、近年、このJak-STATシグナル経路を抑制するsuppressor of cytokine signaling (SOCS)遺伝子が肝細胞癌において不活化していることが癌化の原因であることが明らかとなり、このシグナル伝達経路と癌との関係が注目されている。当研究では肺癌におけるSOCS遺伝子の不活性化と、同じく同系の抑制遺伝子であるprotein inhibitor of activated STAT (PIAS)遺伝子の重要性を明らかにした。ヒト肺癌細胞株においてSTAT-3の活性化した肺癌細胞株A549と悪性中皮腫細胞株MT37に対し、活性化したJak-STATシグナル経路を抑制する目的で、PIAS3の発現ベクターを導入した細胞株を樹立した。PIAS3遺伝子を導入した細胞株のクローンは、IL-6の刺激下でもリン酸化STAT-3は誘導されないことを確認した。つづいて細胞増殖能を培養液中の細胞数で比較した。wild typeとPIAS3クローンはA549とMT37のいずれにおいても培養6日目にPIAS3の細胞数が有意に少なかった。また、アデノウイルスでSOCS-3遺伝子を強制発現すると、細胞の増殖を有意に抑制した。
PIAS3クローンとwild typeの薬剤感受性を検討した。増殖を50%抑制する薬剤濃度IC_<50>は抗癌剤のCarboplatinにおいて、PIASを導入したクローンは野生株より、約5倍感受性が増強していた。また、高濃度のCarboplatinに暴露したところ、PIASを導入したクローンは野生株より有意にアポトーシスに陥りやすいことが明らかとなった。
以上より、Jak-STAT経路の抑制に関与するPIAS3遺伝子は、SOCS遺伝子と同様に肺癌細胞の癌化に関与することが示唆された。

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公開日: 2006-07-11  

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