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2005 年度 実績報告書

末梢気道上皮に特異的発現を示すRab38Gタンパク質の間質性肺疾患への関与の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15590833
研究機関金沢医科大学

研究代表者

長内 和弘  金沢医科大学, 医学部, 助教授 (70221158)

キーワードRab38 / 低分子量Gタンパク質 / 肺胞II型上皮細胞 / 白皮症 / 出血異常 / 間質性肺疾患 / ヘルマンスキー・パドラック症候群
研究概要

Rab38ゲノム遺伝子エキソン1のアミノ酸翻訳開始コドンATGがATAに点突然変異したFawn-Hooded(FH)ラットを米国、ジャクソン研究所より輸入し、Long Evans Cinnamon/Crj(LEC/Crj)を日本チャールズリバー社より購入した(Mamm Genome 15:307-14,2005)。尻尾よりゲノムDNAを抽出しPCR法でDNA解析したところ上記報告に一致した核酸の点変異が起きておりRab38の翻訳消失があると推定された。FHラットおよびLEC/Crjラットの眼は野生型に比し深赤色でルビー色をしており、体毛はピンク色をしており眼皮膚型白皮症の特徴を備えていた。出血時間はすべて15分以上に延長していた。肺を摘出し、気管から固定液を一定圧で注入し膨らませてから組織染色標本を作成した。トルイジンブルー染色ではFHラットおよびLEC/Crjラットの肺胞II型上皮細胞は野生型に比して大型であり、多くの脂質空胞を有していた。肺を摘出・細切しオスミウム酸で固定後、透過型電顕で観察したところ肺胞II型上皮内に大型の層状封入体が無数に認められた。ヘマトキシリン・エオジン染色肺組織標本について形態計測を行ったところ、両ラットは野生型ラットに比してmean linear intercept(Lm)が有意に大であった。これらのことからRab38タンパク質が欠損する突然変異を起こしたラットでは眼皮膚型白皮症、出血異常、気腫性肺病変が起きることが知られた。これはRab38のアミノ酸変化をおこす突然変異を有するチョコレート・マウスの形質にさらに出血異常が加わったものであり、ヘルマンスキー・パドラック症候群のモデル動物の形質である。したがって、もしヒトにおいてRab38の高度の機能不全を起こすような遺伝子異常が起こると眼皮膚型白皮症、易出血性、間質性肺炎・肺線維症を呈するヘルマンスキー・パドラック症候群が発症すると予測される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Pulmonary surfactant transport in alveolar type II cells2006

    • 著者名/発表者名
      Kazuhiro Osanai, et al.
    • 雑誌名

      Respirology 11・Jan

      ページ: S70-S73

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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