研究課題/領域番号 |
15590837
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研究機関 | 独立行政法人 国立病院機構 近畿中央胸部疾患センター |
研究代表者 |
鈴木 克洋 国立療養所近畿中央病院, 臨床研究センター・薬剤耐性結核感染症研究部, 部長 (00206468)
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研究分担者 |
岡田 全司 国立療養所近畿中央病院, 臨床研究センター・結核研究部, 部長 (40160684)
露口 一成 国立療養所近畿中央病院, 臨床研究センター・薬剤耐性結核感染症研究部, 室長 (00359308)
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キーワード | 分子疫学 / M.kansasii / PFGE / RAPDPCR |
研究概要 |
当院に保存されているMycobacterium.kansasiiの代表的菌株20株を選択し、7H9液体培地100ml中で14日間培養・増殖した後、DNA抽出キットと高速遠心分離器を用いてDNAを抽出・精製した。パルスフィールド電気泳動(PFGE)装置(バイオラッドCHEF DRIII)を用い制限酵素としてVSP Iを用いるIinumaらの方法に従いPFGEを上記20株のDNAに複数回適応し、その再現性・識別能と実施の難度・煩雑さを検討した。バンドは約20から30得られ、再現性はよかったが、菌株の異同の判断にやや困難な点があった。そこで制限酵素を変更しバンド数を減少させる試みを検討したところ制限酵素としてSma Iを用いるとバンド数が10-20となり菌株異同の比較が容易になる事が判明した。同様の菌株にPCR装置とアガロース電気泳動装置を使用し、Ready to Go RAPD Analysisキットを用いるRandomly amplified polymorphic DNA analysis (RAPD分析)を実施した。アニーリング温度やプライマー等の条件を各種変更しその再現性・識別能を比較・検討したが、現在のところバンド数が少なく識別能に問題があること、また実験条件のわずかな変化で再現性が保てない等の問題点が判明した。現在さらに各種実験条件を変更しよりよいRAPDの方法を模索している。最終的にPFGEとRAPD法の再現性・識別能・難度や煩雑さを中心とした長所・短所を総合的に比較検討し、分子疫学への応用に最適な方法を決定する予定としている。現時点では、スクリーニングにRAPD分析を行い、菌株の最終的な異同はPFGE法を用いるのが、最適な方法と考え、多数菌株への効率的な応用方法を考察中である。
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