研究課題
基盤研究(C)
巣状糸球体硬化(FGS)病変の発症進展機転におけるミトコンドリアの関与を検討するために、自然発症FGSモデルラットであるFawn Hooded Hypertensive rat(FHR)の血圧、尿所見ならびに腎組織を8週令から24週令まで経時的に検討した.腎組織におけるミトコンドリアDNA(mtDNA)の欠失変異を二つの異なる蛍光色のprobeを用いたfluorescence in situ hybridiazation(FISH)、ならびにreal-time PCRにより検討し、8OHdG、COX1,COX4の発現を,ならびに免疫組織学的に検討した.FHRでは経時的に血圧が上昇(8週127.7±6.9mmHg→24週162.1±17.5mmHg)、尿蛋白が増加(4.8±6.4mg/day→52.2±63.3mg/day)し、FGS病変を持つ糸球体の割合が増加した.電子顕微鏡像では糸球体上皮細胞内のミトコンドリアの集簇ならびに膨化を認めた.抗8OHdG抗体は主として糸球体上皮細胞内mtDNAと反応し、腎抽出mtDNAの4834bpの欠失変異は経時的に増加し、FISHにより糸球体内での同欠失mtDNAの集積を認めた.また糸球体内のcox4の染色性に比べ、cox1の染色性は加齢による減弱を認めた.以上の結果からFGS病変の形成には糸球体上皮細胞内のmtDNA異常とそれに伴うミトコンドリア機能異常の関与が示唆された.またピューロマイシンによるラットの腎病変についてもネフローゼ期ならびにFSGS期において特にミトコンドリアDNAの量的変化やミトコンドリア蛋白の経時的変化について更なる検討を続行中である.
すべて 2004 2003
すべて 雑誌論文 (12件)
Kidney International 66・1
ページ: 121-132
J Histochem Cytochem 52(8)
ページ: 1011-1018
日本臨床 62(10)
ページ: 1817-1822
Medical Practice 21(5)
ページ: 729-734
Cancer Research 64(3)
ページ: 985-993
American Journal of kidney disease 43(3)
ページ: 433-443
Kidney Int. 66(1)
Am J Kidney Dis. 43(3)
Cancer Res. 64(3)
J Histochem Cytochem. 52(8)
Am J Kidney Dis. 44(1)
ページ: 57-63
Histopathology 43
ページ: 173-179