研究課題/領域番号 |
15590851
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
杉山 斉 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60325090)
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研究分担者 |
前島 洋平 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (10343287)
汪 達紘 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90294404)
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キーワード | アカタラセミア / アカタラセミアマウス / カタラーゼ / フリーラジカル / アポトーシス / 尿細管上皮細胞 / 腎間質線維症 / 腎臓内科学 |
研究概要 |
生体の組織恒常性は酸化と抗酸化のバランスにより規定される。カタラーゼは細胞内の過酸化水素とヒドロキシルラジカルレベルを制御する重要な抗酸化酵素である。片側尿管結紮(UUO)により誘導される腎尿細管間質障害に対するカタラーゼ欠損の及ぼす影響をアカタラセミアマウス(C3H/AnLCs^bCs^b)と野生型マウス(C3H/AnLCs^aCs^a)の腎病変を比較することにより検討した。UUOによりマウス両群の腎臓に尿細管拡張・萎縮、炎症細胞浸潤、IV型コラーゲンの蓄積を伴う間質線維症が生じた。Day 7までの検討において野生型に比較してアカタラセミアマウス疾患腎において有意な障害の亢進を認めた。拡張尿細管の脂質過酸化物質(4-ヒドロキシ-2-ヘキセナール、マロンジアルデヒド、4-ヒドロキシ-2-ノネナール)の沈着はアカタラセミア疾患腎において増加していた。尿細管上皮細胞のアポトーシスはアカタラセミア疾患腎のday 4において有意に増加した。またミトコンドリア経路活性化アポトーシスの指標であるcaspase-9発現はアカタラセミアマウスの拡張尿細管で増加していた。アカタラセミア疾患腎ではカタラーゼ活性はday 7まで低値のままであり、またグルタチオンペルオキシダーゼの代償性活性増加を伴わなかった。これらの結果よりマウスUUOモデルにおいてカタラーゼ欠損が腎尿細管間質障害と間質線維症を増悪させたものと考えられた。本腎障害モデルにおいてカタラーゼが保護的に働くことが示唆された。
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