1)プラバスタチンとシメチジンに対するヒトおよびラットの有機アニオントランスポーターの関与 プラバスタチンはhOAT1/rOAT1、hOAT2/rOAT2、hOAT3/rOAT3、kOAT4の輸送に対して阻害作用を認め、hOAT1とhOAT2については非競合的に阻害し、hOAT3とhOAT4については競合的に阻害した。シメチジンはhOAT1/rOAT1、hOAT3/rOAT3、hOAT4の輸送に対して阻害作用を認め、hOAT1については非競合的に阻害し、hOAT3については競合的に阻害した。したがってプラバスタチンとシメチジンは有機アニオン輸送の阻害作用があり、ヒトとラットの間で種差はあるものの著名ではなかった。 2)近位尿細管管腔側有機アニオン/ジカルボン酸交換体としてのヒトOAT4 ヒト有機アニオントランスポーターOAT4は腎臓と胎盤に発現し、エストロン-3-硫酸(E1S)の高親和性輸送を担っている。以前E1Sによるトランス輸送亢進が認められず、有機アニオン輸送の動態が不明だった。本研究ではOAT4安定発現マウス近位尿細管細胞株を用いて、OAT4の駆動力について検討した。OAT4依存性E1S輸送はグルタル酸(IC50:1.25mM)で抑制され、14C-グルタル酸輸送および14C-E1Sはトランス側5mMグルタル酸により優位に亢進し、4C-グルタル酸の排出はE1Sの外液添加により優位に亢進した。グルタル酸とPAHの間でも同様の関係があった。OAT4はOAT1およびOAT3と同一セグメント内に発現していた。
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