研究課題/領域番号 |
15590864
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
内海 甲一 日本医科大学, 医学部, 助手 (60291150)
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研究分担者 |
飯野 靖彦 日本医科大学, 医学部, 教授 (60134706)
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キーワード | ファブリー病 / 酵素補充療法 / α-ガラクトシダーゼ / ビトロネクチンレセプター / グロボトリアオシルセラミド |
研究概要 |
ファブリー病患者27例の尿を試料として、ビトロネクチンレセプター(VNR、インテグリンαvβ3)の尿中排泄量に関して、イムノブロット法により解析を行った。VNRの尿中排泄量は、古典型ファブリー病ヘミ接合体、亜型ヘミ接合体、古典型ヘテロ接合体の順に多く、これらの値は、正常コントロールに比して有意に増加していた。腎機能や尿所見に異常を認めない段階のファブリー病患者においても、尿中へのVNRの排泄が認められ、その排泄量は、顕性蛋白尿のみられる各種腎疾患患者の排泄量と同程度かそれ以上であった。尿中VNRの排泄量と患者の年齢、尿蛋白量、血尿の程度についての相関はみられなかった。ELISA法による尿中VNRの排泄量の解析でも同様の結果が得られたが、その感度はイムノブロット法の法が優れていた。古典型ファブリー病ヘミ接合体患者より得られた尿沈渣及び生検腎組織を試料として、免疫組織化学的解析をした。患者尿沈渣は、抗VNR抗体及び抗グロボトリアオシルセラミド(CTH)抗体で陽性に染色された。患者腎組織は、抗VNR抗体で、糸球体上皮、ボーマン嚢上皮及び遠位尿細管が陽性に染色された。以上のことより、ファブリー病における腎機能障害の発症進展に関連している可能性が考えられた。酵素補充療法(ERT)を行った古典型男性患者Fabry病患者4名に対して、尿中ビトロネクチンレセプター(VNR)の排泄量の測定、mallubery cellの観察等を経時的に行い、ERTの効果判定の非侵襲的な指標の可能性について検討を行った。ERT開始前2例とも尿中VNRの排泄、尿中のmallubery cellがみられたが、ERT開始6ヵ月後より、尿中VNR排泄量の低下、mallubery cellの形態変化が認められた。これらは、ERTの効果判定の非侵襲的な指標になり得る可能性が示唆された。今後さらに症例数を増やし、また長期による尿中VNR排泄量、mallubery cellの形態変化を観察し、ERTの効果判定の簡便な指標となり得るか否かを検討する。また、酵素補充療法施行後の腎組織でのビトロネクチンレセプターの発現の変化及び腎組織障害の改善の有無、さらに両者の関連について検討を行う。ファブリー病における尿中ビトロネクチンレセプター排泄の機序を明らかにするため、腎臓由来の培養細胞を用いて、糖脂質蓄積とビトロネクチンレセプターの発現増加の有無を観察する予定である。
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