研究概要 |
昨年度に続き、重症筋無力症(MG)のB細胞エピトープであるAChR61-76に対するコンプリメンタリーペプチドRhCA67-16ペプチドをヒト抗体産生マウスであるKMマウスに感作を行ない,さらに2つのモノクローナル抗体を得た.昨年度作成した抗体も含め、これら4つのモノクローナル抗体を使い,MG患者血清中のイディオタイプ抗体の検出を試みた.方法は,モノクローナル抗体をそれぞれbiotinで標識し,これをstreptavidineをcoatingした96穴ELISA plateに固着させた.このELISA plateに希釈患者血清と反応させ,モノクローナル抗体と反応するイディオタイプ抗体を回収した.回収したイディオタイプ抗体は,sandwich ELISAによるIgGの定量を行なった.測定感度は1.5μg/ml〜1.5ng/mlである。対象はMG患者42例(男性13例、女性29例)と正常対照群37例(男性15例、女性22例)で正常対照群のIgG量の平均値+3SDを正常上限値として、この正常上限値以上を陽性例と判定した。 MG42例のうち14例で陽性であった.AChR陽性群と陰性群にわけて検討すると,AChR陰性群ではすべてイディオタイプ抗体は検出されなかった. コンプリメンタリーペプチドモノクローナル抗体により,患者血清中のイディオタイプ抗体の検出が可能であった.コンプリメンタリーペプチド法は、MG患者の新しい治療法、診断法に有用な道を開く。
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