研究概要 |
胎生14日齢ラットと胎性12日齢ラット中脳より,神経幹細胞を大量に培養し,凍結保存した.各種増殖条件・分化条件においてRNAを回収し部位関連のマーカーシグナルおよび増殖関連シグナル,およびドパミン神経のマーカーを解析した.同時に蛍光免疫染色によりnestin, MAP-2, TH, GABA, A2B5, vimentin, GFAPなどのマーカーを解析した.これまでに明らかにした分化条件(fibronectin, forskolin, dopamine, BDNF)に加え,レチノイン酸,D-β hydroxybutyrate(DBHB),ドパミン作動薬の影響を比較した. ドパミン神経のマーカーであるTH遺伝子のpromotor領域(4.2kbおよび1.5kb)をGFP遺伝子の上流に組み込んだベクター(THprom-GFP)を作製しPC12細胞に導入した.TH発現シグナルに応じてGFPが発現することを観察し,TH発現を可視化できることを確認した.さらにG418薬剤耐性を利用して遺伝子導入細胞のクローン化を行った.同様にベクターをドパミン神経幹細胞にリポフェクションにより導入した.初代培養の神経幹細胞では導入効率が細胞株より低かった. SH-SY5Y細胞をレチノイン酸により分化誘導したモデルにおいて,DBHBはロテノン,及び3-nitropropionic acidのミトコンドリア毒から神経細胞を保護した(Takeshima et al. Socety for Neuroscience 2005,#1006.12)さらに,deprenyl(selegiline)がPI3K-Nrf2のシグナルを介してドパミン神経の生存に関与することを明らかにした(Nakaso et al, BBRC 2006).
|