2003 年度実績報告書

アルツハイマー病におけるアミロイドβ蛋白の蓄積とコレステロール代謝の関連

研究課題

研究課題/領域番号	15590891
研究機関	鳥取大学
研究代表者	浦上克哉鳥取大学, 医学部, 教授 (30213507)
研究分担者	涌谷陽介鳥取大学, 医学部, 助手 (10322215) 中嶋健二鳥取大学, 医学部, 教授 (70144673) 谷口美也子鳥取大学, 医学部, 教務員 (50335527) 二宮治明鳥取大学, 医学部, 助教授 (80212124) 大野耕策鳥取大学, 医学部, 教授 (70112109)
キーワード	アルツハイマー病 / APP遺伝子 / アミロイドβ蛋白(Aβ) / コレステロール / ニーマン・ピック病C型 / アルミニウム
研究概要	正常,Sweden,London,Tottori型のAPP遺伝子を、正常CHO細胞とコレステロール細胞内代謝に異常を持つニーマン・ピック病C型(NP-C)モデルCHO細胞に導入し、それぞれのAPP発現細胞を作製した。APP導入正常CHO細胞群において、コレステロール合成・エステル化等の代謝反応の解析を行ったが、導入APPの違いによるコレステロール代謝の差異は見られなかった。また、細胞内・細胞膜のコレステロールの局在にも変化は見られなかった。細胞外からLDL刺激を行い、恒常性維持機能についても同様に検討したが、やはり差異は見られなかった。NP-CモデルCHO細胞群においても、発現APPを細胞内外で量・局在を検討したが、APP遺伝子の違いによる差異、また正常CHO細胞群と比較しての差異は見られなかった。アミロイドβ蛋白(Aβ)の量と局在を、現在検討中である。細胞のコレステロール内代謝自体に変化が見られていないことから、細胞内コレステロールが変化している際に、外部からの刺激がどのようにAPPに影響しているのかを検討した。アルミニウムはAPP・Aβに影響を与えることが知られている。作製したモデル細胞群にアルミニウムを負荷し細胞内のAPP量と細胞内外のAβについて検討したところ、APP量の変化が見られた。さらに、NP-CモデルCHO細胞群はアルミニウムに対する細胞障害率が正常CHO細胞群に比べて高く、細胞内のコレステロールの変化により外部の刺激に対して過敏になっている可能性が示唆された。また、Sweden型変異のAPP遺伝子を導入したNP-CモデルCHO細胞では細胞障害率が低く、Sweden型変異のAPP遺伝子変異は、コレステロールに何か関連性のある部位かもしれない。今後、Aβについても検討するとともに、コレステロールとAPPとの関連を明らかにしていく予定である。

研究成果
(6件)

すべてその他

すべて文献書誌 (6件)

[文献書誌] 浦上克哉, 谷口美也子: "アルツハイマー病に対するその他の治療の試みの現況"老年精神医学雑誌. 14・5. 567-569 (2003)
[文献書誌] Watanabe Y, Shimizu Y, Urakami K, Matsushima E, Nakashima K: "Vertical ophthalmoplegia in a demented patient with striato pallidodentate calcification"Psychiatry Clin.Neurosci.. 57・4. 447-450 (2003)
[文献書誌] Inoue M, Suyama A, Kato T, Urakami K, Nakashima K, Meshitsuka S: "Development of computerized Kana Pick out test for the neuropsychological examination"Comput.Meth.Programs Biomed.. 70. 271-276 (2003)
[文献書誌] Wakutani Y, Watanabe K, Adachi Y, Isoe-Wada K, Urakami K, et al.: "Novel amyloid precursor protein gene missense mutation (D678N) in probable familial Alzheimer's disease"J.Neurol.Neurosurg.Psychiatr.. (in press). (2004)
[文献書誌] Wakutani Y, Kowa H, Kusumi M, Nakaso K, Yasui K, Wada-Isoe K, Urakami K, et al.: "The regulatory region polymorphisms of the MTHFR gene are not associated with Alzheimer's disease"Dement.Geriatr.Cogn.Disord.. 17・3. 147-150 (2004)
[文献書誌] 浦上克哉: "医学大辞典"医学書院. 3090 (2003)

2003 年度 実績報告書

アルツハイマー病におけるアミロイドβ蛋白の蓄積とコレステロール代謝の関連

研究代表者

浦上 克哉 鳥取大学, 医学部, 教授 (30213507)

研究成果

[文献書誌] 浦上克哉, 谷口美也子: "アルツハイマー病に対するその他の治療の試みの現況"老年精神医学雑誌. 14・5. 567-569 (2003)

[文献書誌] Watanabe Y, Shimizu Y, Urakami K, Matsushima E, Nakashima K: "Vertical ophthalmoplegia in a demented patient with striato pallidodentate calcification"Psychiatry Clin.Neurosci.. 57・4. 447-450 (2003)

[文献書誌] Inoue M, Suyama A, Kato T, Urakami K, Nakashima K, Meshitsuka S: "Development of computerized Kana Pick out test for the neuropsychological examination"Comput.Meth.Programs Biomed.. 70. 271-276 (2003)

[文献書誌] Wakutani Y, Watanabe K, Adachi Y, Isoe-Wada K, Urakami K, et al.: "Novel amyloid precursor protein gene missense mutation (D678N) in probable familial Alzheimer's disease"J.Neurol.Neurosurg.Psychiatr.. (in press). (2004)

[文献書誌] Wakutani Y, Kowa H, Kusumi M, Nakaso K, Yasui K, Wada-Isoe K, Urakami K, et al.: "The regulatory region polymorphisms of the MTHFR gene are not associated with Alzheimer's disease"Dement.Geriatr.Cogn.Disord.. 17・3. 147-150 (2004)

[文献書誌] 浦上克哉: "医学大辞典"医学書院. 3090 (2003)

2003 年度実績報告書

浦上克哉鳥取大学, 医学部, 教授 (30213507)