研究課題/領域番号 |
15590891
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
浦上 克哉 国立大学法人鳥取大学, 医学部, 教授 (30213507)
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研究分担者 |
谷口 美也子 国立大学法人鳥取大学, 医学部, 教務員 (50335527)
中島 健二 国立大学法人鳥取大学, 医学部, 教授 (70144673)
涌谷 陽介 国立大学法人鳥取大学, 医学部, 助手 (10322215)
大野 耕策 国立大学法人鳥取大学, 医学部, 教授 (70112109)
二宮 治明 国立大学法人鳥取大学, 医学部, 助教授 (80212124)
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キーワード | アルツハイマー病 / APP遺伝子 / アミロイドβタンパク (Aβ) / コレステロール / α-セクレターゼ / LDL / リノール酸 |
研究概要 |
正常,Sweden, London, Tottori型変異のAPP遺伝子を導入した、正常CHO細胞とコレステロール細胞内代謝に異常を持つニーマン・ピック病C型(NP-C)モデルCHO細胞を用い、細胞内外のコレステロール環境が、APPの代謝・アミロイドβ蛋白(Aβ)の産生にどのような影響を及ぼしているのかを検討した。 アルミニウムは近年、アルツハイマー病(AD)に影響を与える環境因子として注目されている。細胞内コレステロール代謝の変化している環境ではアルミニウムという外部刺激に対して過敏になっている可能性があることが昨年度の研究で示唆されている。まず、正常CH0細胞において、細胞内外のコレステロール環境がAPP・Aβにどのように作用しているのかを、LDLを細胞に添加した場合、また、その影響が本当にLDLの作用によるものかを明らかにするために、LDLの影響を改善させるといわれている不飽和脂肪酸のリノール酸をさらに添加した場合において検討した。LDL添加時、APPはα-セクレターゼによる代謝が促進されていることが示唆された。さらにこの細胞にリノール酸を添加してLDLの作用への影響を検討したところ、リノール酸添加によってAPP・Aβ量の変化しないもの、あるいはむしろAβが増加している傾向のある細胞も見られた。リノール酸は体内でLDLの作用を改善させるといわれているため、今回の結果は当初の期待と反するものであったが、リノール酸は高濃度ではかえってその作用に影響があることから、リノール酸の濃度を検討する必要があると思われる。また、細胞外のLDLに対する反応が鈍いNP-CモデルCHO細胞においても、現在同様の実験を行っている。今後はさらに、アルミニウムの細胞と細胞のAPP代謝に対する影響にLDLがどのように作用しているのか、引き続き検討を行っていく予定である。
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