研究課題
重症筋無力症は自己抗体と補体が関与する自己免疫疾患である。約80%の患者でニコチニックアセチルコリンレセプター(AChR)抗体が検出される。全身型の重症筋無力症の20%にAChR抗体の検出がなされない。しかし、免疫療法には反応する。AChR抗体陰性30名を対象とした。年齢は5歳から77歳まで男9名、女21名。診断は電気生理学的検査で反復電気刺激での10%の減少があった患者でテンシロンテスト陽性を呈したことで行った。MuSK抗体は^<125>IでラベルしたMuSKを使用して測定した。上腕二頭筋から筋生検は同意を得て行った。MuSK抗体陽性患者8名、眼筋型MG20名、全身型MG37名(II型24名、III型10名、IV型3名)、ランバート・イートン筋無力症候群5名、ボツリヌス中毒3名、筋萎縮性側索硬化症8名、正常患者8名を対象とした。運動終板はペルオキシダーゼでラベルしたαバンガロトキシンと抗C3抗体で染色した。また、電子顕微鏡観察の為に3%グルタールに固定し、エポンに包埋して観察した。結果は30名のAChR抗体陰性患者のうち、10名で抗MuSK抗体が陽性であり、22歳から60歳まであった。全員女性であり、眼瞼下垂や複視が認められ、嚥下障害や頭部挙上困難、呼吸不全の症状を呈した。AChR抗体陽性の重症筋無力症運動終板では全例にC3の沈着が認められた。MuSK抗体陽性患者8名中1名で補体は陽性であったが、7名は陰性であった。また、運動終板のペルオキシダーゼでラベルしたαバンガロトキシン量を半定量したが、重症筋無力症は低下していた。MuSK抗体陽性MGは眼筋型重症筋無力症と同じ程度に減少していた。電子顕微鏡で観察した運動終板では、Postsynaptic areaが狭小化していたが、flodの破壊は認めなかった。MuSK抗体の病態発症機序は不明だが、重症筋無力症が補体介在性であるのとは異なり、別の機序が関与しているのであろう。
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Journal of Dermatological Science In press