研究課題/領域番号 |
15590897
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
内野 誠 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (20117336)
|
研究分担者 |
前田 寧 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (60346997)
|
キーワード | 遺伝子治療 / 筋ジストロフィー / ヘルパーウイルス依存型アデノウイルスベクター / ジストロフィン / CAR / mdxマウス / ヌードmdxマウス |
研究概要 |
我々は、アデノウイルスゲノムがもつ全ての蛋白遺伝子を欠失させ、代わりに治療用遺伝子のみをもつヘルパーウイルス依存型アデノウイルスベクター(以下HDAV)を開発し、full-length dystrophinおよびアデノウイルスのアタッチメントレセプターであるCARを含むHDAV CAR-dysを作製した。免疫抑制を一切行わない条件下において、HDAV CAR-dysを幼若なmdxマウスの骨格筋に注入したところ、注入8週後にもdystrophinの発現が高率に認められた。さらにdystrophin発現部位のみにおいて筋病理所見の改善が確認された。また、成熟したmdxマウスの骨格筋に繰り返し注入したところ、3回反復投与によりdystrophinの導入効率が上がり、一定レベル以上のdystrophinの発現を長期間維持することができた。ただ発現効率は全体の10%以下であった。ヌードmdxマウスで同様の実験を行ったところ、2回反復注入により25%程度に発現効率の増加をみた。今後、免疫抑制も併用したHDAV CAR-dysの反復注入法について検討を加えることにより筋ジストロフィー遺伝子治療の臨床応用への可能性が広がると考えられる。
|