研究課題
基盤研究(C)
実験的アレルギー性脳脊髄炎(Experimental Allergic Encephalomyelitis : EAE)はヒトの多発性硬化症の実験動物モデルと考えられている。C57BL/6マウスをMyelin Oligodendrocyte Glycoprotein : MOG)の部分ペプチドMOG35-55で免疫すると、EAEを発症する。しかし我々の見出したplt (paucity of lymph node T cells)マウスでは、MOG35-55ペプチドで免疫してもほとんど発症が見られない。Pltマウスは突然変異マウスで、ケモカインCCL19とCCL21-serの発現を欠いている。従ってEAEの発症にこれらのケモカインが関与している可能性があり、これらのケモカインがEAE発症に果たす役割を検討している。pltマウスでEAEを発症しないか発症しても極めて軽症ですむ理由として二通り考えられる。すなわち、ケモカインが欠如するため1)発症に関わるT細胞が脳脊髄に浸潤できない、あるいは、2)発症に関わるT細胞が誘導できない、という可能性である。C57BL/6マウスをMOG35-55ペプチドで免疫し、得られたT細胞をpltマウスに移入したところ、まだ予備的な実験結果ではあるが、EAE発症を認めた。EAEを発症するTh1型T細胞が誘導できないので、pltマウスは発症しにくいのではないかと考えられる。卵白アルブミン(OVA)を抗原にして比較すると、OVAで免疫したときにはpltマウスでもTh1型のT細胞反応を認めた。同じCFAアジュバントで免疫しても、抗原によってTh1型になるかTh2型になるかT細胞反応が異なる可能性が考えられ、さらに検討中である。
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