研究課題/領域番号 |
15590915
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
畑山 巧 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (10094484)
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研究分担者 |
石原 慶一 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (80340446)
山岸 伸行 京都薬科大学, 薬学部, 講師 (60298685)
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キーワード | 分子シャペロン / ポリグルタミン病 / Hsp105 / Hsp70 / SBMA / アポトーシス |
研究概要 |
遺伝性神経変性疾患の発症機構を理解し予防や治療法を確立することを目的として、ポリグルタミン(polyQ)タンパク質によるアポトーシス経路と分子シャペロンの効果、およびpolyQタンパク質の発現により変化する細胞タンパク質について検討した。 (1)polyQタンパク質によるアポトーシス経路と分子シャペロンの効果 球脊髄性筋萎縮症の細胞モデルとして、原因遺伝子であるpolyQを含むアンドロゲンレセプターの短縮型(tAR)およびpolyQ鎖のみ(polyQ)と緑色蛍光タンパク質との融合タンパク質(CAGリピート数24:tAR24、polyQ24;97:tAR97、polyQ97)をCOS-7細胞に一過性に発現させた。tAR97とpolyQ97は共に細胞内に凝集体を形成するが、凝集体が核内に局在する細胞においてアポトーシスの誘導がおこること、またpolyQ97がtAR97より核内凝集体を高頻度に形成することからアポトーシスを強く誘導することなどを明らかにした。また、polyQ24導入細胞において凝集体が形成されないにもかかわらずアポトーシスが誘導されたこと、また分子シャペロンによるアポトーシス抑制の違いから、polyQ24とpolyQ97によるアポトーシスの誘導経路が異なることを明らかにした。 (2)polyQタンパク質の凝集体形成により変化する細胞タンパク質のプロテオーム解析 polyQ24およびpolyQ97条件発現細胞株を樹立し、polyQ24およびpolyQ97の発現により変動する細胞タンパク質のプロテオーム解析をおこない、polyQ24およびpolyQ97の発現により増加するそれぞれ2つのタンパク質を見いだした。現在、これらのタンパク質の同定とその生理的意義について検討をおこなっている。
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