研究課題
基盤研究(C)
1.変異SOD1 Tgマウスに対する免疫組織化学によって我々は、小胞体シャペロンであるGRP78がレビー小体様封入体に存在することを示し、その分布が変異SOD1ときわめて類似していることから、GRP78は変異SOD1と近接して共存している可能性を考察し、このマウスの発症に小胞体ストレスが関与している可能性を示唆した。2.変異SOD1 Tgマウスの発症における細胞質-核間輸送障害の関与を検討するため、我々はimportinβ,importinα,histone H1,β-cateninの局在を免疫組織化学的に検討したところ、いずれの蛋白もTgマウスにおいて核の染色性が低下していた。この結果から我々は、変異SOD1 Tgマウスにおいては核膜孔複合体に異常が生じている可能性を推察した。3.変異SOD1 Tgマウスに対するedaravone(free radical scavenger)の効果を検証するため、盲検群間比較試験を行ったところ、用量依存性に病状進展抑制効果が認められた。腰髄前角残存神経細胞数および3-nitortyrosine/tyrosine比の検討においても有効性が認められた。この結果はALSの発症に酸化ストレスが関与しているとの説を支持するものであり、edaravoneの臨床応用の可能性を示唆している。4.変異SOD1 Tgマウスに対する骨髄内骨髄移植の効果を検討したところ、移植群では生存日数の延長が観察された。病理学的検討では、移植された骨髄幹細胞は脊髄内に遊走しており、その一部はミクログリアのマーカーが陽性であった。この結果から、ALSに対する骨髄内骨髄移植ではミクログリアに分化した幹細胞が神経保護作用を発揮している可能性が示唆された。
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