1)Alexander病またはvan der Knaap病が臨床的、画像診断的に疑われた症例において、それぞれの原因遺伝子GFAP、MLC1の解析を行った。Alexander病は22名検体の依頼があり、内9名(中国人1名を含む)にGFAP遺伝子変異を検出した。すでに報告のあるR239C、R79Cに加え新規変異R79L、L90P、R239Lも同定した。van der Knaap病は14名の検体の依頼があり、内10名(インド人1名を含む)にMLC1遺伝子変異を検出した。S93Lが非常に高頻度で認められたが、それ以外に新規変異、A275E、スプライス変異(436G>A)を同定した。インド人症例にはインド人に高頻度と言われるexon 2のCの挿入を検出した。最終的にvan der Knaap病と診断し得た症例中少なくとも4名は最初Alexander病が疑われGFAP遺伝子を当所または多施設で解析された症例であり、臨床的、画像診断的には鑑別が難しい場合もあることが示唆された。 2)Alexander病の蛋白レベルでの病態を解析するために野生型、R239C型、R79C型GFAP発現プラスミド、アデノウイルスベクターを作成し、培養細胞およびマウス脳内での発現による相違を観察中である。また蛋白構造を解析するために無細胞系による大量発現を行っている。
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