研究課題/領域番号 |
15590926
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 譲 岩手医科大学, 医学部, 教授 (60125565)
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研究分担者 |
金子 能人 岩手医大学, 医学部, 講師 (80285585)
高橋 和眞 東北大学, 医学部付属病院, 助手 (60292215)
土井 秀之 東北大学, 医学部付属病院, 助教授 (90188839)
石田 弥 岩手医大学, 医学部, 助手 (80305995)
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キーワード | 脂肪細胞 / アディポネクチン / GLUT4 / ピオグリタゾン / グリクラシド / グリベンクラミド / デラプリル / TNF-α |
研究概要 |
C3H/Heマウス皮下組織由来の新規前駆脂肪細胞株のAP-18細胞は脂肪細胞特異的遺伝子や脂肪細胞関連遺伝子を発現し、インスリン添加のみで容易に白色脂肪細胞に分化する、in vitroの実験に使用しやすい細胞であることを、我々は明らかにした。 本研究では、AP-18細胞を用い、インスリン抵抗性改善作用が示唆されている臨床薬剤のadiponectinとGLUT4の遺伝子発現に及ぼす影響を解析した。 糖尿病治療薬としては、インスリン抵抗性改善作用のあるチアゾリジン系薬剤(pioglitazone)とビグアナイド薬(metformin)、TNF-α産生抑制作用のあるSU薬のgliclazideとその対照のglibenclamideを、降圧薬としては、インスリン抵抗性改善作用やTNF-α産生抑制作用が示唆されているACE阻害薬(delapril, temocapril, captopril)、アンジオテンシン受容体拮抗薬(candesartane)、α1遮断薬(doxazosine)、α1遮断薬の対照としてインスリン抵抗性増強作用やTNF-α産生促進作用が示唆されているβ1遮断薬(metprolol, selectol)を、その他の薬剤としてはTNF-α産生抑制作用が報告されているシステイン化合物(methylcysteine)を用いた。これらの薬剤をAP-18細胞培養液中に諸濃度で添加し、インスリンによる分化開始時からのadiponectin、GLUT4遺伝子の発現量と培養上清中のadiponectin濃度を解析した。 Gliclazide、glibenclamide、pioglitazone、delaprilはadiponectinとGLUT4遺伝子発現及び、培養上清中adiponectin濃度を増強したが、その他の薬剤にはこれらの作用はなかった。Pioglitazone、gliclazide、glibenclamide、delaprilが脂肪細胞におけるadipbnecitn・GLUT4遺伝子発現及びadiponecitn蛋白産生を増強することが明らかとなった。
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