研究課題/領域番号 |
15590931
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
塚本 和久 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (20251233)
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研究分担者 |
野入 英世 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (00301820)
東郷 眞子 東京大学, 医学部附属病院, 医員
原 眞純 東京大学, 医学部附属病院, 医員
磯尾 直之 東京大学, 医学部附属病院, 医員
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キーワード | 糖尿病 / 糖尿病性腎症 / 酸化ストレス / 過酸化脂質 / 遺伝子導入 / PAF acetylhydrolase / 糸球体硬化 |
研究概要 |
糖尿病性腎症発症に過酸化脂質・酸化ストレスが重要な役割を演ずることは様々なin vitro研究から明らかとなってきているが、in vivoにてこれらの事実を明白に証明した研究は報告されていない。 我々は酸化ストレスを改善することが糖尿病性腎症抑制に結びつくかどうかをin vivoで検討する目的で、PAF-AHを発現するアデノウイルスを糖尿病性腎症モデル動物に投与し検討を行うとともに、糸球体硬化モデル動物ImaiラットにおけるPAF-AH遺伝子導入研究の詳細な検討を加えた。 昨年の検討で、オスdb/dbマウスは糖尿病性腎症(DMN)モデル創物として報告されているものの実際には不適切なモデルであることが判明していたが、同様にDMNモデルとして報告されているSHR/NDmc-cp(fat/fat)ラットにおいては高スクロース食を投与しても糖尿病発症が見られないことを確認した。次に、ストレプトゾシン(STZ)投与C57BL/6マウス(Eur J Pharmacol 398:381,2000)で検討したところ、尿タンパク量変化が以前の論文のように再現可能であった。PAFAHをこのモデル動物に過剰発現させたところ、コントロール動物に比較して蛋白尿が減少する傾向をみた。しかし、論文に記載されている原法ではマウスの健康状態が著しく損なわれていたため、STZ投与量の再検討を行い、現在最も適切であろう投与量の設定が完了した。現在、その投与量で、PAFAHの効果の検討に入っている。 PAFAHによる糸球体障害改善の見られたImaiラットにおいて、糸球体に沈着したPAFAH蛋白は、PAFAHアデノウイルスが腎臓構成細胞に直接感染して局所的に発言したものではなく、肝臓で発現したPAFAH蛋白がHDLを介して糸球体構成細胞であるメサンギウム細胞に特異的に運搬されたものであることを確認した。さらに糸球体のみでなく全身の動脈壁にもHDLを介して運搬されていることを確認した。
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