研究課題/領域番号 |
15590939
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
奥屋 茂 山口大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (20214083)
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研究分担者 |
江本 政広 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (50294640)
植田 浩平 山口大学, 保健管理センター, 助手 (50325221)
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キーワード | 糖輸送担体 / GLUT4 / トランスロケーション / リサイクリング / アダプター蛋白 / 糖取り込み / インスリン / 脂肪細胞 |
研究概要 |
GLUT4小胞のリサイクリングやインスリン依存性トランスロケーションに、GLUT4と結合する蛋白が重要な役割をはたす可能性が考えられている。そこで、GLUT4"アダプター蛋白"の存在を想定し、これをクローニングする目的で、GLUT4をbaitに酵母two-hybrid法にてスクリーニングを行った結果、蛋白-蛋白結合に関与するとされる"ANK構造"をもつ蛋白など、いくつかの興味深い新規蛋白cDNAのクローニングに成功した。 前年度の検討で、これら蛋白が、L6-GLUr4myc細胞内でGLUT4と同様の局在を示すこと、COS7細胞に共発現後にプルダウンを行うことでGLUT4と会合すること、さらに3T3-L1脂肪細胞に強発現させることでインスリン依存性糖取り込みに影響することを確認した。 引き続き本年度の研究で、特に新規"ANK構造含有蛋白"に関して、 1.ノザン法にて検討したところ、主に脂肪組織・腎に発現していた。 2.酵母two-hybrid法にて各種GLUT4変異体と蛋白結合を確認したところ、N端欠失変異体とは結合しなかった。 3.3T3-L1脂肪細胞に強発現後、細胞分画のウエスタン法でインスリン依存性のGLUT4の細胞膜へ(LDM分画からPM分画へ)のトランスロケーションを検討したところ、コントロール細胞に比較して、GLUT4トランスロケーションの増加傾向を認めた。一方、内在性GLUT1・GLUT4蛋白発現量自体には特に影響が認められなかった。 これらの結果から、GLUT4 N端と結合する新規"ANK構造含有蛋白"は、GLUT4のトランスロケーション、あるいはリサイクリングに影響することにより、糖取り込みに影響する可能性が示唆された。 これらの新しい結果は、平成17年度日本糖尿病学会年次学術集会において発表予定である。さらに、今後の論文投稿へと準備を進めている。
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