研究課題/領域番号 |
15590949
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
松本 和也 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (80346999)
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研究分担者 |
荒木 栄一 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (10253733)
豊永 哲至 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (60295128)
宮村 信博 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (40274716)
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キーワード | 膵β細胞 / カルモデュリン / インスリン分泌 / ノックアウトマウス / Cre recombinase |
研究概要 |
我々は膵β細胞においてCa^<2+>カルモデュリン依存性蛋白質リン酸化酵素II(CaMKII)δサブユニットがインスリン分泌顆粒と同様な細胞内局在を示し、その過剰発現はインスリン分泌を増加させることを報告した。本研究では膵β細胞における本酵素の役割を解析するため、膵β細胞特異的なCaMKIIδサブユニット欠損マウスを作製し、ラ氏島形成、インスリン合成・分泌能等に及ぼす影響を検討する。 129系マウスES細胞由来の遺伝子ライブラリーよりδサブユニット遺伝子を単離し、転写開始コドンを含む全長19kbのクローンを同定した。LoxP、両端loxPのレポーター遺伝子(チミジンキナーゼ/ネオマイシン耐性遺伝子;TK/neo)、ジフテリア毒素B遺伝子(DT-B)の挿入部位を、それぞれ開始エクソン上流Nae I、下流Sex AI、PflMIのクローン中で単一の制限酵素部位とした。両端にNae I認識配列を付加したPCRプライマーを用いてCreリコンビナーゼにより認識されるloxPを増幅し(NaeI-loxP-NaeI)、Nae I部位に挿入した。今後は同様に両端SexAI認識配列のlox P-TK/neo-lox PをSex AI部位に、両端PflMI認識配列のDT-BをPflMI部位にそれぞれ挿入し、同ベクターをES細胞へ導入し、既に入手予定であるRip-Creマウスと交流させることによりβ細胞特異的CaMKIIδサブユニット欠損マウスを作製する予定である。 また、膵β細胞におけるδサブユニット遺伝子発現調節を検討するために、開始エクソンの上流約4.5kbをルシフェラーゼレポータ遺伝子ベクターに組換えた。本ベクターをδサブユニット発現神経膠細胞株NG108-15へ導入したところ、ルシフェラーゼ活性の有意な上昇を認めた。今後は欠失変異体を作製し、転写調節領域についても解析する。
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