研究課題/領域番号 |
15590952
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
辻田 麻紀 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (10253262)
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研究分担者 |
岡崎 三代 東京医科歯科大学, 教養学部, 教授 (20013998)
堂前 純子 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (70227700)
横山 信治 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10142192)
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キーワード | アポAI / HepG2 / HDL / ABCA1 / Hepatocyte / Probucol / autocrine / 725-1E |
研究概要 |
肝におけるHDL新生メカニズムを明らかにするため、HepG2細胞ならびにマウス肝初代培養細胞を用いてapoAI-ABCA1経路について検討を行なった。細胞培養上清のHPLCによる解析の結果、LDLとHDLがマウス肝初代培養細胞とHepG2細胞で検出された。HepG2細胞ではHDL-TCは外困性のヒトapoAI(10μg/ml)の添加で1.5〜2倍に上昇した。ABCA1機構の阻害薬、Probucol、の細胞への導入によりHDL-TCは32%に、遊離apoAIに特異的な抗体(725-1E2)存在下ではHDL-TCは4.7%へ低下した。これに対してHDL-PLはapoAIの添加により20%程度が上昇し、Probucol投与並びに725-1E2存在下では50%が低下した。725-1Eに抗体存在下でのHDL画分に検出されるPL粒子を同定するため1.063<d<1.21g/mL画分をSDS-PAGEで展開後、免疫法で共存するタンパク質の検討を行なった。その結果培養上清にはalbuminやapoEが存在し,PL粒子にはこれらの蛋白質が結合していることが推測される。ABCA1機構により構築されたapoE-preβHDL粒子はapoAI-preβHDL粒子と同様なコレステロール:リン脂質比を示すことから、今回のHDL画分に回収されたPL粒子はABCA1による新生機構とは異なる経路由来であると推測される。 以上をまとめるとHepG2細胞でのコレステロールを含むHDKの構築反応は他の末梢細胞と同様にapoAI-ABCA1経路に大きく依存し、内因性のapoAIはautocrine様式で反応しHDLを構築する事が明らかとなった。
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