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2003 年度 実績報告書

カルシウム・リン代謝からみた動脈硬化および血管石灰化の発症機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15590954
研究機関大阪市立大学

研究代表者

城野 修一  大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (60336790)

研究分担者 塩井 淳  大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (90260801)
キーワード血管石灰化 / 動脈硬化 / osteoprotegerin / Matrix Gla Protein / ナトリウム-リン共輸送担体
研究概要

ヒト血管平滑筋細胞による血管石灰化実験系を用いて、石灰化の進展と骨関連蛋白との関係を検討した。骨関連蛋白としては、TNF受容体ファミリーに属するosteoprotegerin(OPG)と骨基質蛋白であるmatrix Gla protein(MGP)について検討した。石灰化の進展に伴いOPGの遺伝子および蛋白発現は増加し、石灰化を抑制することによりOPGの発現は減少した。このことからOPGは血管石灰化の進展に深く関与している可能性が示唆された。次に石灰化の進展過程におけるMGPの発現を検討した。MGPは石灰化の進展に伴い遺伝子・蛋白発現ともに低下し、石灰化を抑制することによりその発現は回復した。このことよりMGPが減少することで血管石灰化が進展する可能性があり、MGPが血管石灰化抑制因子であることを示唆させる結果であった。そこでOPGおよびMGPが臨床的に血管石灰化の病態に関与しているかどうかを検討した。血管石灰化の評価としてCTにて冠動脈石灰化量を定量し、同時に冠動脈造影にて病変の重症度を検討した。血清OPGおよびMGP濃度はELISA法を用いて測定した。冠動脈石灰化および冠動脈病変の重症度が増加するに伴い、血清OPG濃度は上昇傾向を示し、血清MGP濃度は低下傾向を示していた。この知見は血管平滑筋細胞を用いた基礎的検討と合致しており、臨床的にも血清OPGおよびMGP濃度は血管石灰化や動脈硬化の病態を反映している可能性が考えられた。
以前我々は、in vitro石灰化実験系において血管石灰化の調節経路としてナトリウム-リン共輸送担体が関与していることを報告した。進展した動脈硬化病巣において血管石灰化は高頻度に認められるため、動脈硬化促進因子であるPDGFやIGF-1がナトリウム-リン共輸送担体および血管石灰化へ影響を及ぼしている可能性がある。そこで石灰化誘導時にPDGFまたはIGF-1を添加しその作用を検討したところ、リン輸送活性、リン輸送担体の遺伝子発現および細胞層カルシウム沈着量は著明に増加した。このことから動脈硬化病変における血管石灰化の進展にナトリウム-リン共輸送担体の発現の増加が関与していることが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] S.Jono, Y.Ikari, A.Shioi, et al.: "Matrix Gla protein is associated with coronary artery calcification as assessed by electron-beam computed tomography"Thrombosis Haemostasis. 91(in press). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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