・各臓器におけるTrip3の発現の検討 PPARγのコアクチベーターであるTrip3は、膵β細胞に発現している他、脂肪細胞に分化させた3T3-L1細胞、ヒトおよびマウスにおける脂肪組織に発現していることがRT-PCR法で確認された。 ・免疫組織学的検 mammalian expression vectorによりTrip3-GFP蛋白をCOS7細胞に発現させた結果、Trip3蛋白は核内に存在していることが認められた。現在、PPARと結合していると想定される、Trip3のZn-Fingerやシグナルペプチドを欠失させることにより局在に変化が生じるか検討中である。 ・GST結合蛋白との結合能および、mammalian two-hybrid systemによる検討 PPARγおよび、Trip3のdeletion mutantのGST融合蛋白を作成することにより、Trip3はN末端よりに存在する、Zn-Finger motifを介して、PPAR-γのAF2ドメインと結合していることが明らかになった。同様に、mammalian two-hybrid systemにおいても、これらの蛋白が結合していることが確かめられた。 Trip3は脂肪細胞に発現し、PPAR-γの活性を増強することから、脂肪組織におけるインスリン感受性に関与している可能性があると考えられた。今後、食事性の糖尿病モデル動物や自然発症糖尿病モデル動物を用いて、糖代謝における機能を解析する予定である。
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