研究課題/領域番号 |
15590963
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代謝学
|
研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
川口 巧 久留米大学, 医学部, 助手 (00320177)
|
研究分担者 |
原田 大 久留米大学, 医学部, 講師 (00241175)
古賀 浩徳 久留米大学, 医学部, 講師 (90268855)
谷口 英太郎 久留米大学, 医学部, 助手 (50341318)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
キーワード | ChREBP / INS-1 / インスリン分泌 / 遺伝子変異 / インスリン受容体 / 糖尿病 / HepG2細胞 / insulin receptor substrate |
研究概要 |
糖尿病は、糖代謝を調節する種々の分子の異常によりインスリン分泌不全を引き起こし、発症に至ると考えられているが、その詳細ついては未だ解明されていない。近年、我々はラットの肝臓より新たな糖代謝調節に関与する転写因子carbohydrate responsive element binding protein (ChREBP)を同定した。その転写因子は解糖系主要酵素の一つであるliver-type pyruvate kinase遺伝子の転写活性を上昇させる特徴を持つ。本研究の目的は、ChREBPの細胞生物学的意義を解明することである。我々は、ChREBPの遺伝子導入により、インスリン分泌能を有するINS-1細胞のインスリン分泌能が変化する事を証明した。また、臨床的側面からのアプローチとして、2型糖尿病患者膵組織よりChREBPの遺伝子変異を検討した。ChREBPの調節に重要な役割を果たすとされているリン酸化部位を中心に遺伝子解析を行ったが、明らかなChREBPの遺伝子変異は認められなかった。ChREBPは肝臓において最も強く発現している。そこで、我々は膵島細胞と同様にChREBPを高発現している肝癌細胞株を用いて膵島のインスリン分泌を調節しているインスリン抵抗性について検討を行った。その結果、細胞膜表面に位置するインスリン受容体に変化は見られなかったものの、細胞内インスリンシグナルの中心分子である、insulin receptor substrate-1/2の発現の低下がインスリン抵抗性発現さらには膵島細胞からのインスリンの過剰分泌に関与することを明らかにした。本研究により、ChREBPはinsulin receptor substrate 1/2と同様にINS-1細胞のインスリン分泌およびHePG2細胞のインスリン抵抗性を調節する分子であり、糖尿病発症への関与が示唆された。
|