研究課題
基盤研究(C)
(1)アディポネクチンが骨髄間質細胞の分化に及ぼす影響の解明骨芽細胞と脂肪細胞の両者に分化する能力をもつマウス骨髄間質細胞株ST2を用いて、その骨芽細胞および脂肪細胞の分化マーカーを指標にして、アデイポネクチンの作用を検討した。骨芽細胞の分化マーカーとしてオステオカルシンmRNA発現を調べたところ、アデイポネクチン添加によりオステオカルシンの発現が抑制されることが明らかとなった。脂肪細胞分化マーカーとしてはOil-Red Oによる中性脂肪滴の染色とPPARγ2 mRNAの発現を調べたところ、アデイポネクチンは脂肪細胞の文化や形成に影響を与えないことが明らかとなった。また、アデイポネクチン分子としては、全長のものとコラーゲン様領域を欠く球状ドメインのみのものを用いたが、これらの作用における両者の質的な相違は認められなかった。また、マウス骨髄細胞の初代培養系を用いた実験でも同様の結果が得られ、マウスにおいてはアデイポネクチンは骨髄間質細胞における骨芽細胞分化を抑制し、脂肪細胞分化には影響を持たないことが明らかとなった。(2)アデイポネクチン・トランスジェニックマウスの骨の解析アデイポネクチン・トランスジェニックマウスの骨組織および骨代謝は、少なくとも生後10週まででは対照と比べて有意な変化を認めなかった。アデイポネクチン・ノックアウトマウスも作出されたが、出生直後の骨格には大きな異常を認めなかった。成長期における骨代謝の解析には至っていない。(3)循環血液中レプチンの骨代謝に及ぼす影響の解明レプチンは中枢性作用により骨形成を抑制することが報告されている。肝臓でレプチンあるいは可溶性レプチン受容体を過剰発現するトランスジェニックマウスを解析したところ、循環血液中レプチン濃度の上昇は骨形成を抑制することが明らかとなった。
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