研究概要 |
1.恒常状態のマウス、各種甲状腺ホルモン核受容体のノックアウトマウスの脳、心臓を摘出し、細胞質を現有の超遠心分離器を用い分画後、GST-ビーズに結合したCTBPに細胞質分画を加え、遠心し、回収したあと、2次元電気泳動でゲルに展開した。銀染色により、複数のマウスにつき比較検討し、再現性を確認した。これによりCTBPに結合する蛋白のプロファイリングを可能とした。 2.正常のマウス、ノックアウトマウスを甲状腺ホルモン投与、あるいは抗甲状腺薬投与により甲状腺ホルモン中毒症、低下症の状態にして、ミエリンベーシックプロティン、ミオシン重鎖、等の甲状腺ホルモン応答遺伝子のmRNAの変化をノーザンブロティングで確認した。 3.CTBPの機能的ドメインの推定のため、この蛋白をN端、C端側から欠損させた6つの変異蛋白を用いて、それらとGST蛋白の融合蛋白を大腸菌で高発現することにより、そのT3、NADPH結合ドメイン、2量体形成ドメインを推定した。またGFP蛋白との融合蛋白をCHO細胞に発現させて、細胞質での局在ドメインを推定した。その結果、T3,NADPH結合ドメインは、いかなる変異体もその能力を失活させたため、ドメインを特定できなかった。それに対し、2量体結合領域は、CTBP314アミノ酸のうち、129から145,217から269の2カ所が必要であること、細胞質に局在するためには、少なくともC端側217から314アミノ酸が必要であることが判明した。以上を論文にまとめ、投稿、補足をして、研究発表業績とした。
|