研究課題/領域番号 |
15590973
|
研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
佐々木 茂和 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (20303547)
|
研究分担者 |
中村 浩淑 浜松医科大学, 医学部, 教授 (60164331)
|
キーワード | 甲状腺刺激ホルモン / 甲状腺ホルモン / 甲状腺ホルモン受容体 / GATA2 / Pit1 / 下垂体 / 核内受容体 / 転写調節 |
研究概要 |
私達はすでに(A)TSH産生細胞への分化決定因子である転写因子PitltとGATA2に加え、甲状腺ホルモン受容体(TR)も発現すれば腎臓由来のCV1細胞において甲状腺刺激ホルモン(TSH)β鎖に対する甲状腺ホルモン(T3)による転写抑制(負の調節)が観察できること。(B)Pit1とGATA2による基礎転写活性をTRはT3依存性に抑制するが、T3非結合のTR単独では転写を活性化できない。(C)従来、負の調節に必要とされていた配列は必要でないこと、(D)TSHβのみならずα遺伝子においてもGATA2は転写を活性化するばかりでなく、TRによる負の調節にも重要であることを報告している。その後、 1、GATA2結合配列の3'側配列(SR)にはその転写活性化能を抑制する因子が結合し、Pit1はGATA-REの5'側に結合してこの抑制を打ち消す。 2、またT3とTRによる負の調節はPit1の過剰発現により減弱することからPit1はGATA2と安定な複合体を形成しGATA2の機能を安定化していると考えられた。 3、SRを除去するとTSHβプロモーターはGATA2のみで活性化され、T3とTRによる負の調節を受ける。 4、このような抑制はGATA1や3でも観i察される。 5、GATA2の欠失変異体の検討からGATA1-3に共通なZnフィンガー領域がT3とTRによる負の調節に重要である。 6、実際、GSTプルダウンアッセイで検討するとTRとGATA2のDNA結合領域同士が蛋白-蛋白相互作用することが判明した。 7、TRとGATA2に共通なコアクチベーターであるTR associatingprotein(TRAP)220が負の調節に関与する事が示唆された。 8、クロマチン免疫沈降法により、ヒストンアセチル化の低下とTRAP220の離脱が観察された。
|