研究課題/領域番号 |
15590980
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研究機関 | 高知大学(医学部) |
研究代表者 |
橋本 浩三 高知大学, 医学部, 教授 (60033370)
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研究分担者 |
浅羽 宏一 高知大学, 医学部, 助手 (00314998)
西岡 達矢 高知大学, 医学部附属病院, 講師 (40253356)
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キーワード | CRH(CRF) / Urocortin II / Urocortin III / CRFタイプ2受容体 / ACTH / AVP |
研究概要 |
1)Urocortin II (Ucn II),stresscopin-related peptide (SRP)及びstresscopin(SCP)の中枢及び末梢作用の検討 側脳室や頸静脈へカニューレを挿入したラットを用い、CRH(CRF)のタイプ2受容体の内因性リガンドとされているUcn II、SRP、SCPを側脳室や末梢静脈中に投与して、血圧、脈拍及び血中ACTH分泌に及ぼす影響を検討した。これらのペプチドの脳室内投与は血圧や脈拍に有意の影響を与えなかった。しかしUcn IIやSRPの静脈内投与は血圧を有意に低下させ、脈拍を増加させた。これらの作用はCRFのタイプ2受容体のantagonistであるantisauvagine-30の静脈投与により有意に抑制された。SCPの静脈投与は血圧や脈拍に有意の影響を与えなかった。一方、SCPの脳室内投与はACTH分泌を刺激する傾向を示したが、UcnIIやSRPはACTH分泌に影響を示さなかった。これらのペプチドの末梢投与はACTH分泌に影響を示さなかった。以上により、同じCRFのタイプ2受容体のリガンドであっても、異なる中枢作用や末梢作用を示す事が示唆された。 2)ストレス時の脳内UcnIImRNAの発現に関する検討 ラットに拘束ストレスを加えると、脳視床下部室傍核の小細胞群のうち、CRFを産生する細胞の45%でUcnIImRNAの発現が増強した。一方、飲水を3日間禁止する絶水ストレスを加えると、室傍核の大細胞群のvasopressinを産生する細胞のほとんどで、UcnII mRNAの発現が増強した。一方、青斑核のUcnIImRNAはこれらのストレスで変化を示さなかった。以上により室傍核のUcnIIがストレス時の下垂体前葉や後葉の機能調節に関与している可能性が示唆された。
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