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2004 年度 実績報告書

受容体を介するリポソームのエンドサイトーシスを利用した樹状細胞への癌遺伝子導入

研究課題

研究課題/領域番号 15591004
研究機関京都大学

研究代表者

門脇 則光  京都大学, 医学研究科, 講師 (60324620)

研究分担者 丸山 一雄  帝京大学, 薬学部, 教授 (30130040)
キーワード樹状細胞 / 免疫療法 / リポソーム
研究概要

16年度は遺伝子ではなく蛋白を樹状細胞(dendritic cells;DC)に貪食させて効率のよい抗原提示を誘導する系の確立を試みた。破傷風トキソイド(tetanus toxoid;TT)を抗原として中性リポソームに封入し、これにヒトIgGを結合させたもの、およびさせないものを作製した。これらのリポソームをヒト単球由来DCに貪食させたところ、IgG-liposomeがCD4^+ T細胞への封入抗原の効率よい提示を誘導した。ついで、マウスのin vivoの系にて、抗原封入IgG-liposomeが強力な抗腫瘍免疫反応を誘導するかどうかを検討した。C57BL/6マウス由来T細胞性リンパ腫細胞株EL-4にモデル抗原としてOVAを遺伝子導入したE.G7-OVAをC57BL/6マウスの背部皮内に1 x 10^6個接種して9日後と12日後に、OVA単体、マウスIgGが結合していないリポソームに封入したOVA、またはマウスIgGが結合したリポソームに封入したOVAを貪食させた骨髄由来DCを皮内投与した。この治療モデルにおいて、OVA封入IgG-liposomeを用いた場合に腫瘍の増大が強く抑制され、5例中1例において腫瘍の完治が達成された。OVA封入IgG-liposomeを貪食したDCだけが、in vitroにおいてOVAペプチド特異的CD8^+ T細胞を強力に刺激しIL-2の産生を誘導した。以上より、蛋白抗原を封入したIgG-liposomeがFcγレセプターを介してDCに貪食されると、MHCクラスIIのみならずMHCクラスI分子にも効率よく抗原ペプチドが提示されて、強力な抗腫瘍免疫反応が誘導される。したがって、IgG-liposomeはDCを用いた癌免疫療法における有力な抗原デリバリーシステムと考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005 その他

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Introduction of OX40 ligand into lymphoma cells elicits anti-lymphoma immunity in vivo2005

    • 著者名/発表者名
      Kaneko H, et al.
    • 雑誌名

      Experimental Hematology 33・3

      ページ: 336-343

  • [雑誌論文] Distribution and kinetics of SR-PSOX/CXCL16 and CXCR6 expression on human dendritic cell subsets and CD4+ T cells

    • 著者名/発表者名
      Tabata S, et al.
    • 雑誌名

      Journal of Leukocyte Biology (発表予定)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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