研究課題/領域番号 |
15591010
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
安倍 正博 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (80263812)
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研究分担者 |
松本 俊夫 徳島大学, 医学研究科, 教授 (20157374)
井上 大輔 徳島大学, 医学研究科, 講師 (60314853)
尾崎 修治 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90314872)
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キーワード | 多発性骨髄腫 / 破骨細胞 / 血管新生 / オステオポンチン |
研究概要 |
【結果】1.末梢血単核細胞にM-CSF、sRANKLを添加し破骨細胞(OC)を形成した。骨髄腫(MM)細胞株OPC、U266、RPMI8226の増殖はOCの共存により骨髄間質細胞の共存に比べより著明に促進された。マウス前破骨細胞株C7も同様の促進活性を示した。2.OCによるMM細胞の増殖促進は抗IL-6抗体、抗αvβ3 integrin抗体で部分的に、また両者の接触の阻害によりほぼ完全に抑制された。3.OCは極めて多量にosteopontin(OPN)を産生し(6880+/-250ng/10^5 cells for 3 days)、また全てのMM細胞株はVEGFを構成的に産生していた。血管形成は、OPN、VEGFの添加でそれぞれ1.3、1.5倍に、両者の同時添加で2.0倍に促進した。また、OC培養上清(CM)はMM細胞株CMと同程度(1.5倍)に、両者の共培養のCMは2-2.5倍に血管形成を促進した。共培養のCMによる血管形成促進活性は抗αVβ3integrin抗体、抗VEGF抗体の同時添加で消失した。 【考察】OCは骨髄間質細胞に比べ効率よくMM細胞の生存、増殖を促進する。この促進活性はマウスOCによってももたらされ、マウスIL-6はヒト細胞には作用し得ないことより、IL-6以外のMM細胞の接触により産生が亢進するOC由来のMM増殖因子の存在が示唆された。また、MM細胞のみならずOCも血管新生を促進する。さらに、OC由来OPN-とMM細胞由来VEGFが協調的に血管新生を促進することが示された。従って、MM細胞により誘導されるOCは、骨破壊を来すのみならず、直接あるいは血管新生の促進を介し間接的にMMの進展を促進する可能性が示唆された。
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