研究概要 |
(1)古典的ミオシン軽鎖(20-kDa)アイソフォームの細胞内局在および機能解析: Cell motility assayによる機能解析:血小板ミオシンの重鎖はIIAのみであることを利用して、アイソフォームMLC-2A, B, CのcDNAをE.coliへ遺伝子導入して蛋白を合成・精製し、exchange技法を用いて、ヒト血小板ミオシンを使用してIIA-MLC-2A, IIA-MLC-2B, IIA-MLC-2Cの3種のミオシンを再構成し、cell motility assay(アクチンを固定したスライドグラス上のミオシンの動態をビデオ撮影し、速度を測定)を行った。MLC-2CとMLC-2A,2Bとの間の有意な差を認めた。 (2)巨大血小板減少症のMHC-IIA遺伝子異常の解析と変異MHC-IIAの機能解析: 本症で報告されているnon-muscle myosin重鎖IIA(MHC-IIA)の変異のうち頻度の高い3種類すなわちR702C, D1424H, E1841Kを選び、その変異体をバキュロウイルスによって発現させ変異ミオシンを生成し、ミオシンの機能を解析した。蛍光タンパク質GFP標識したミオシン変異体をHEL細胞(ヒト巨核球系白血病細胞株)に強制発現させて、TPAで分化誘導させ変異体によるproplatelet形成能の差異を詳細に調べた。光顕上では、突起形成の差を認めた。またフィラメント形成能の違いが見られた。ATPaseの違いを検討中である。 (3)遺伝性巨大血小板減少症のミオシン遺伝子検索 書面での同意を得たMay-Hegglin anomalyの2家系のミオシン重鎖の検索をおこなった。1家系ではE1841Kが確認できた。1家系では重鎖の異常を認めず、現在ミオシン軽鎖の検索を行なっている。
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