研究概要 |
1.PU.1との結合に必要なmSin3Aの最小部位の決定 mSin3A(aa1-1219)を1-271,272-680,681-1219の3部位に分けたGST融合タンパク質を作製し、正常PU.1を用いてGST pull down assayを行ったところ、PH2およびPH3を含むaa272-680がmSin3AのPU.1結合部位であることがわかった。 2.変異PU.1を用いたPU.1のアセチル化の解析 正常PU.1を293T細胞に導入してin vivoでのアセチル化の有無を調べたところ、アセチル化されることが明らかとなった。そこで、アセチル化部位と推測されるリジンをアルギニンに変えたPU.1発現ベクターを3種類作製し、CBP・mSin3Aとの結合、転写の活性化および抑制化能を調べた。その結果、K223/224/244/245/247/248/249Rでは転写の抑制能が消失しており、mSin3Aとの結合も減少していた。以上のことから、PU.1のアセチル化が転写抑制に関与する可能性が示唆された。 3.変異PU.1を用いたPU.1のリン酸化の解析 正常PU.1を293T細胞に導入してin vivoでのリン酸化の有無を調べたところ、リン酸化されることがわかった。そこで、リン酸化部位と推測されるセリンをアラニンに変えた。PU.1発現ベクターを5種類作製した。現在、これらについて、CBP・mSin3Aとの結合、転写の活性化および抑制化能を検討中である。 今年度は、転写のコファクターCBP・mSin3Aに加えて、血液細胞分化に関わる転写因子との相互作用とPu.1の修飾制御についても解析を進めていく予定である。
|