1.変異PU.1を用いたリン酸化の解析(根岸) リン酸化部位と推定されるセリンをアラニンに変えた発現ベクターを用いて、転写の活性化および抑制化能に及ぼす影響を検索した。その結果、作製した全ての変異体において転写抑制化能は野生型と同等に認められたが、S132/133/148Aではタンパク質の安定性および転写活性化能が野生型より上昇していることが明らかとなった。 2.変異PU.1用いたアセチル化の解析(根岸) 正常PU.1がin vivoでアセチル化されることを明らかにした。アセチル化の変異ベクターK223/224/244/245/247/248/249R他を作製しO転写の活性化および抑制化能に及ぼす影響と他の転写因子や転写のコファクターとの相互作用を検索した。その結果、(1)アセチル化は、PU.1による転写の活性化には関与しないが、抑制活性に関わること(2)アセチル化の変異によりCBPとの結合は変化しないが、mSin3A・GATA-1との結合能は低下することがわかった。 3.変異PU.1がMEL細胞分化・増殖・アポトーシスに及ぼす影響の解析(山田) S132/133/148AおよびK223/224/244/245/247/248/249Rの亜鉛誘導型発現ベクターをMEL細胞に導入し、分化・増殖・アポトーシスに及ぼす影響を調べた。S132/133/148Aでは、正常PU.1で誘導される分化阻害・増殖抑制は正常PU.1と同様に認められ、アポトーシス誘導能はむしろ野生型より充進していた。K223/224/244/245/247/248/249Rでは、分化阻害・増殖抑制・アポトーシスのいずれも誘導されなかった。また、K223/224/244/245/247/248/249Rでは、正常PU.1でアポトーシス誘導時に認められたbcl-2とc-myc遺伝子の発現低下も起こらなかった。以上のことから、PU.1は、(1)アセチル化とリン酸化の両方により修飾制御される(2)PU.1の132/133/148部位のリン酸化は転写活性化能に関与し、アポトーシスに対しては抑制的に働らく(3)PU.1の223/224/244/245/247/248/249のアセチル化は転写抑制活性に関わり、MEL細胞の分化阻害・増殖抑制・アポトーシスに促進的に働らく可能性が示唆された。 4.成果の発表(根岸) 論文としてまとめ投稿準備中である。
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