研究課題/領域番号 |
15591053
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
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研究分担者 |
玉置 繁憲 三重大学, 医学部附属病院, 助手 (80260602)
鈴木 宏治 三重大学, 医学部, 教授 (70077808)
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キーワード | 喘息モデルの作成 / 活性化プロテインCの作用 / 喘息と樹状細胞の役割 / 肥満細胞とIgEの産生 / 喘息の治療 / サイトカインとAPCの作業 / 喘息と骨髄由来細胞の関与 / 喘息の樹序 |
研究概要 |
15年度は、ovalbumin(以下OVA)を抗原提示した骨髄由来樹状細胞を気道内に移植し、OVAを吸入させることで気管支喘息モデルを作製し、活性化プロテインC(以下APC)の抗原提示細胞に対する効果を検討した: (1)気管支喘息モデルの作成:樹状細胞の気道内移植による気管支喘息モデルは、従来より共同研究をおこなっているLambrechtらの方法(J.Clin.Invest.2000)に準じて作製することができた。マウス長管骨の骨髄より樹状細胞を分離培養後、in vitroでOVAをパルスし抗原提示させた後気道内に(1x10^5)移植しOVAを(1日/90分)吸入させた。喘息の発症は気道過敏性試験(enhanced pause値)で確認した。 (2)樹状細胞へのAPCの効果の検討:樹状細胞にOVAをパルスする前後、あるいは気道内に移植する直前にAPC(30と60μg/ml)を培地中に添加し、気道内移植した。OVA吸入後気管支肺胞洗浄液(BALF)中の好酸球数、各種サイトカイン等を測定し、APCの樹状細胞に対する効果を検討した。その結果APCで処理した樹状細胞はAPC処理した細胞に比べ喘息の発症が軽度でBALF中のinterleukin-13の濃度は低下した。 (3)肥満細胞とリンパ球に対するAPCの効果の解析:ヒト肥満細胞株MHC-1をIgEと抗IgE抗体で刺激した。IgEと抗IgE抗体の刺激によるMHC-1細胞培養上清中のIL-4の濃度は、コントロール細胞に比べ、有意に高値であった。また、IL-4で刺激したマウスリンパ球培養上清中のIgEの濃度は、コントロール細胞に比べ、有意に高かった。これらの実験系でAPCの抑制効果を検討した。APCは肥満細胞からのIL-4及びマウスリンパ球からのIgEの分泌を有意に抑制した。 これらの結果からAPCは気管支喘息に対する治療薬としての有用性が示唆されている。
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