研究概要 |
1.ICOS欠損MRL/1prマウスの作成 ICOS欠損マウスを7世代MRL/1prマウスに戻し交配し、icos+/-マウスを交配してicos+/+MRL/1prマウスとicos-/-MRL/1prマウスを作成した。 2.MRL/1prマウスにおけるICOSの発現 野生型のMRL/1prマウスではICOSの発現は脾CD4+T細胞で認められたが、CD8+T細胞やCD4-CD8-T細胞では認められなかった。また、CD4+T細胞でも若年齢のMRL/1prマウスでは発現せず、年齢とともに発現が増強していた。 3.リンパ節腫脹、脾腫 ICOS欠損MRL/1prマウスではコントロールに比べリンパ節腫脹は軽度であった。脾腫の程度には差が見られなかった。 4.単核球サブセット ICOS欠損MRL/1prマウスの脾細胞ではコントロールに比べ、B220-T細胞とCD4+T細胞の減少が認められた。CD4+T細胞に関しては、特にメモリーT細胞の低下およびナイーブT細胞の増加が見られ、またB220-CD4+細胞の低下が顕著であった。 5.細胞内サイトカイン 脾CD4+T細胞の細胞内インターフエロンγ(IFN-γ)とIL-4をFACSで解析した。ICOS欠損MRL/1prマウスではコントロールに比べIFN-γ/IL-4比の低下が見られTh2へのシフトが考えられた。 6.自己抗体価 ICOS欠損MRL/1prマウスの血清中の抗dsDNA抗体価は、IgG1,IgG2a,IgMのサブクラスでコントロールに比べ低下していた。IgG3では差は見られなかった。 7.腎炎 ICOS欠損MRL/1prマウスでは、糸球体病変の程度に変化はなかったが、血管周囲の単核球浸潤が著しく軽度であった。
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