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2004 年度 実績報告書

新しいin vivoバイオフィルムモデルを用いた緑膿菌定数感知機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 15591059
研究機関大阪大学

研究代表者

朝野 和典  大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40202204)

研究分担者 河野 茂  長崎大学, 医師薬学総合研究科, 教授 (80136647)
キーワード緑膿菌 / バイオフィルム / 定数感知機構 / in vivoモデル / 抗菌薬感受性 / 慢性気道感染症
研究概要

緑膿菌は、慢性気道感染症や慢性複雑性膀胱炎など慢性の感染症の原因菌である。感染が遷延し、抗菌薬療法によっても、菌を排除できない理由として、このような感染症は、多くの場合バイオフィルムを形成するためである。この緑膿菌によるバイオフィルム感染症を克服するためには、バイオフィルムの形成メカニズムの解明や、抗菌薬の効果の検討が必要であるが、これまで、バイオフィルムの形成に関して行われてきた研究は、ほとんどの場合フローセルシステムなどを用いたin vitroの検討であった。
しかし、生体内でのバイオフィルム形成を考えたとき、バイオフィルムを形成するための生体側の因子(フィブリンや壊死物質など)が、in vitroの系では欠損していることに問題がある。そこで、in vivoのバイオフイルムモデルを構築するために、我々はポリプロピレン製チューブを加工したchamberをマウス腹腔内に留置することで、簡便にバイオフィルムを作成でき、かつバイオフィルムの形態や抗菌薬効果の検討を可能とするモデルを作成した。このバイオフィルムモデルを用いて、バイオフィルム形成における緑膿菌の定数感知機構(quorum sensing system)の役割を検討した。また、同時に、すでに報告している慢性気道感染症のバイオフィルムモデルでも同様の検討を行った。結果として、定数感知機構の欠損株であるPAO-JP2ではwild typeであるPAO1に比較して、腹腔内chamberのバイオフィルムモデルでは明らかにバイオフィルムの厚さやその形態に差異が見られ、慢性気道感染症のモデルでも、気道への菌のバイオフィルム形成を反映する菌の定着数の差異が見られた。
以上の結果より、in vivoにおいてもバイオフィルム形成能に緑膿菌の定数感知機構が密接に関連していることが示された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Role of Pseudomonas aeruginosa quorum sensing system in a mouse model of chronic respiratory infection2005

    • 著者名/発表者名
      Imamura Y, Yanagihara K, Tomono K et al.
    • 雑誌名

      Journal of Medical Microbiology (印刷中)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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