【方法】既に自己免疫病を発症している生後4か月齢のMRL-lpr/lprマウス計80匹をコントロール(非投与)群、Fluvastatin 10mg/kgと100mg/kg投与群、副腎皮質ステロイド薬(メチルプレドニゾロン)投与群(10mg/kg)の4群に分け、週3回腹腔内投与を施行した。 【結果】投与4か月後ではコントロール群と比較して(1)メチルプレドニゾロン投与群では生存率の上昇が認められたが、Fluvastatin 100mg/kg投与群は早期に死亡した。Fluvastatin 10mg/kg投与群はコントロール群と同等の生存率を示した。(2)尿中の蛋白量と潜血反応はFluvastatin 10mg/kg投与群で減少した。(3)経時的な血清Th1/Th2サイトカインをCytometric bead arrayで測定したところ、Fluvastatin 10mg/kg投与群はコントロール群と比較してIFN-γの低下が認められた。(4)血清抗dsDNA抗体価はFluvastatin 10mg/kg投与群で上昇傾向を示した。(5)腎臓の病理組織学的検査ではFluvastatin 10mg/kg投与群にはコントロール群と同等なループス腎炎の所見が得られた。 【考察】長期投与の結果では、FluvastatinはMRL-lpr/lprループスマウスに対して、生存率、血清学的所見および腎臓の病理学的所見などから明らかな治療効果を示さなかった。
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