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2003 年度 実績報告書

アレルギー疾患治療への分子生物学的アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 15591065
研究機関昭和大学

研究代表者

戸部 敞  昭和大学, 薬学部, 教授 (90102368)

研究分担者 成島 道昭  昭和大学, 医学部, 助教授 (30255856)
根来 孝治  昭和大学, 薬学部, 助手 (70218270)
中野 泰子  昭和大学, 薬学部, 助教授 (20155790)
キーワード喘息 / アレルギー反応 / 不応答(anergy) / 制御性T細胞 / CD25^<high>Treg
研究概要

正常動物には制御性T細胞(regulatory T Cell : Treg)と呼ばれる細胞群が存在し、アレルギー反応の制御に関わっていると報告されている。ヒトの喘息におけるCD25^<high>Tregの機能を詳細に検討し、病態との関係を明らかにすることを試みた。
CD25^<high>Tregの表面抗原解析結果は、健常人と喘息患者で大きな差は見られなかった。抗CD3抗体刺激による細胞内Ca^<2+>流入を9人の喘息患者と5人の健常人で検討したところ、喘息患者のCD25^<high>Tregの反応性は、健常人と異なる2つのパターンに分類でき、それぞれをType1とType2とした。Type1のCD25^<high>Tregは、不応答(anergy)細胞であるにもかかわらず抗体刺激時に健常人CD25^-T細胞と同様に多数の細胞に細胞内Ca濃度の上昇が見られた。Type2は、多数のCD25^<high>TregにCa2+流入が見られたが、ピーク値が低く細胞内Ca^<2+>濃度は健常人のCD25^-T細胞やType1のCD25^<high>Tregよりも低値を示した。また、抗CD3抗体刺激下でのサイトカイン産生は健常人と同様に、Type2ではanergyの定義どおりIL-2をほとんど産生せず、その結果増殖もあまり示さなかった。更に、CD25^-T細胞と混合培養することによりIL-2の産生及び増殖抑制活性を示した。ところが、Type1ではanergyの定義を満たさず抑制活性も示さなかった。FOXP3 mRNAは喘息患者CD25^<high>Treg及びCD25^-T細胞は、いずれも健常コントロール群に比べ高値を示した。
以上の結果より、喘息患者ではCD25^<high>Tregの機能が失調しているグループがおり、恐らく、慢性炎症が十分に制御出来ていない可能性が推測された。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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